おうちを買う前に知っておきたい!「住宅購入や住居に関する税制・法律・手続き」第6回
日々の生活で大切な三大要素の衣食住。おうち時間を充実させるため、よりよい「住」環境を求めて住宅の購入を検討している人もいるでしょう。
住宅購入は人生の中でも指折りの大きな買い物です。そのため費用を少しでも抑えたいと考えるのは当然のことでしょう。
国は、良質な住宅取得を促進することで景気回復を図るとともに、環境性能などの優れた住宅の普及拡大を推進しようと、様々な制度で住宅購入を後押ししています。ですから、どんな制度があるかを知り、自分の場合は何が使えるか、どのような手続きをしていけばよいかをこのシリーズで押さえていきましょう。
国の補助金、給付金、支援制度 VOL.1
第6回は、国の補助金、給付金、支援制度の中から住宅省エネ2023キャンペーンについてご案内します。
住宅取得を支援する制度は、住宅購入者の暮らしを支えるだけでなく景気を支える役目も果たしています。住宅建設は資材、工事、不動産取引などたくさんの業界に波及する産業であると同時に、家具や家電をはじめとした新しい住まいに伴う消費を喚起することにも繋がっています。
2023年度は環境負荷を低減し、省エネを推進する政策との連携により、長持ちする優良な住宅を建築することや、断熱性能を向上させることに手厚い支援が行われています。住宅省エネ2023キャンペーンは、住宅の省エネ化を支援するために新たに創設された3つの補助事業の総称です。
住宅省エネ2023キャンペーン
住宅省エネ2023キャンペーンには、国土交通省、経済産業省、環境省それぞれが打ち出す3つの補助事業があります。いずれも事業に対する事業者登録がされている業者との契約が補助対象となり、申請手続きや受け取りも事業者が行います。予算が決まっている事業のため、申請期間内であっても、申請額が予算に達した時点で終了となります。申請額がどの程度に達しているのかは、各支援事業のトップサイトに掲載されています。
【参考リンク】
住宅省エネ2023キャンペーンの総合サイトTOP
https://jutaku-shoene2023.mlit.go.jp/
制度名:こどもエコすまい支援事業 |
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【概要】 省エネ性能が高い住宅を建てると建築価格の値が張ってしまいますが、こうした材料費やエネルギー価格高騰の影響を受けやすい若い世帯でも省エネ性能の高い住宅を新築できるように、また性能向上のためのリフォームを行うことができるように支援する事業です。2050年カーボンニュートラルの実現に寄与することも目的としています。 【適用期間】 契約日の期間は問いません。 住宅の購入や工事の着手が2022年11月8日 以降で2023年3月31日。予算上限に達するまでが対象です。完了報告は補助対象の建物に応じてそれぞれ期間の定めがあります。詳細は参考リンクでお確かめください。 【補助額(補助上限)】 注文住宅の新築 新築分譲住宅の購入は1住戸につき100万円。リフォームは、実施する補助対象工事および工事発注者の属性等に応じて5万円から60万円。 細かな規定もありますので、詳細は参考リンクからお確かめください。 【手続き】 交付申請等の手続きや補助金の消費者への還元は、あらかじめこどもエコすまい支援事業の事業者として登録した事業者が行います。補助対象者である一般消費者が直接申請することはできません。登録のない事業者との契約は補助対象になりませんので、補助を受けたい場合はこどもエコ住まい支援事業者の検索webサイトから該当事業者を探しましょう。 【制度利用の主な要件】
ご紹介した要件についての詳細や、他の要件については参考リンクをご覧ください。 【参考リンク】 こどもエコすまい支援事業 総合TOP https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp/ 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000215.html |
制度名:先進的窓リノベ事業 |
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【概要】 既存住宅の窓の断熱リフォームを補助対象にする事業です。住宅は窓からの熱損失が大きいため、窓の断熱性能を高めることで、光熱費負担の軽減やCO2排出量削減に貢献することを目指します。経済産業省事業は戸建住宅を補助対象に、環境省事業は集合住宅を補助対象にした事業になっています。 【適用期間】 対象となる工事の契約日は2022年11月8日〜2023年12月31日。着工は事業者における登録申請日以降にすることが必要です。交付申請は2023年3月31日~2023年12月31日。ただし、戸建住宅(経済産業省予算)、集合住宅(環境省予算)それぞれの予算上限に達するまでです。 ※締切は予算の執行状況によります。定められた期間より前に予算が尽きて終了する可能性もありますので早めの申請がおすすめです。 【補助額(補助上限)】 実施する補助対象工事の内容に応じて定められた金額(一戸当たり、5万円から最大200万円) 【手続き】 交付申請等の手続きや補助金の消費者への還元は、あらかじめ窓リノベ事業の事業者として登録した事業者が行います。補助対象者である一般消費者が直接申請することはできません。登録のない事業者との契約は補助対象になりませんので、補助を受けたい場合は窓リノベ事業者の検索webサイトから該当事業者を探しましょう。 【制度利用の主な要件】
ご紹介した要件についての詳細や、他の要件については参考リンクをご覧ください。 【参考リンク】 先進的窓リノベ事業 総合TOP https://window-renovation.env.go.jp/ 経済産業省 資源エネルギー庁 「省エネポータルサイト」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/index.html |
制度名:給湯省エネ事業 |
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【概要】 家庭では、給湯に関連して大きなエネルギーを消費しています。効率の高い給湯設備の導入を支援しその普及を促進することにより、国が掲げる「2030年度におけるエネルギー需給の⾒通し」の達成に貢献することを目指す事業です。 【適用期間】 対象となる契約日は2022年11月8日 ~2023年12月31日。設置工事の着工は事業者の登録申請日以降にすることが必要です。交付申請期間は2023年3月31日~2023年12月31日。ただし予算上限に達するまでです。 ※締切は予算の執行状況によります。定められた期間より前に予算が尽きて終了する可能性もありますので早めの申請がおすすめです。また、工事着工日の定義と申請可能になる時期は、申請区分と設置する住宅等によってそれぞれ異なっていますので、詳細を参考リンクからお確かめください。 【補助額(補助上限)】 導入する高効率給湯設備に応じて定められた金額で。一台につき5万円または15万円です。一住戸あたり戸建て住宅は2台まで、共同住宅等は1台までです。 【手続き】 交付申請等の手続きや補助金の消費者への還元は、あらかじめ給湯省エネ事業の登録事業者として登録した事業者が行います。補助対象者である一般消費者が直接申請することはできません。 交付申請は「購入・工事」と「リース利用」の区分があります。登録のない事業者との契約は補助対象になりませんので、給湯省エネ事業者の検索webサイトから該当事業者を探しましょう。 【制度利用の主な要件】
ご紹介した要件についての詳細や、他の要件については参考リンクをご覧ください。 【参考リンク】 給湯省エネ事業 総合TOP https://kyutou-shoene.meti.go.jp/about/ |
公開日:2022年08月26日
更新日:
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小峯洋子(こみねようこ)
(株)イー・カンパニー提携ファイナンシャルプランナー
AFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー、2級建築士
不動産会社、住宅メーカーで設計部勤務を経て、夫の転勤により一旦退職。
第2子の乳児期にファイナンシャルプランナー資格を取得し、設計事務所勤務をしながら2014年にFP事務所を立ち上げた。自らの子育てを通じて、子どもの頃からお金と上手に付き合うトレーニングが必要だと感じ、楽しみながらお金に関して学べる親子向けの講座を開催している。教育費や住まいに関わるお金の相談や記事執筆も行っている。共著に「ゼッタイ後悔しない!家の購入技200」(スタンダーズ株式会社発行)など。