スマイルすまいの見つけ方 第8話
暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。優しい会社員のパパさんとすてきな暮らしに憧れる在宅勤務のママさん、しっかりものの保育園児タッくんに、愛犬ワンダが加わった仲良し家族です。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。
まずは情報を仕分けしよう!
最近のスマイル一家の休日は、1週間の間に新聞に折り込まれたマンションや一戸建てのチラシの整理から始まります。
「今日もいっぱいあるねー」とタッくん。
さらに、これまでにいくつかのモデルルームや住宅展示場でアンケート記入をしたせいか、不動産会社や住宅会社からの「オープンハウスのご案内」「新規分譲開始!」「新築戸建て相談会」などの案内状が次々と舞い込んできます。
「こんなにあると、見ているだけで疲れちゃう」と、最初は張り切っていたママさんもこの頃は疲れ気味。見かねたパパさんがこんな提案をしました。
「検討するのかしないのかを決めるための優先ポイントをいくつか決めておこうよ。それで、〇か×に最初に仕分けしよう」
「一番大事なのは価格だと思うけど、どのくらいまでなら私たちに買えるのかがよく分からないわね」とママさん。「それは、じゃあ、近々誰かに相談してみることにして、他に希望の条件は何だろう?」
みんなでワイワイ考え始めました。
家族で「絶対外せない条件」を決めよう
「自分の部屋が欲しい!」とタッくん。「じゃあ間取りは3LDK以上ね」
「できれば駅から10分以内がいいな……」と電車で通勤するパパさん。
「10分以内の物件って、そんなに多くはないらしいわよ。そこはお値段とのバランスじゃないの」というママさんは「それよりも、沿線と駅ね。住みたいエリアがいくつかあるの」。
「ワン!ワン!」とワンダくん。「あ、忘れちゃ大変! そうよね、ワンダくん。ペットが飼えるというのは絶対条件ね」
「マンションか一戸建てはどうする?」という問題は、まだ決めかねているので、「もうしばらくの間は並行して考えましょう」ということになりました。
「時期も大切だよね」とパパさん。「できればタッくんが小学校に入学するまでには引っ越ししたいよね」「あ! それが一番大事なことかもしれないわね」とママさんもうなずきます。
整理するとこんな感じになりました。
・価格(いくらまで可能なのかをきちんと算出しよう!)
・間取りは3LDK以上
・沿線と駅
・駅からの距離
・入居時期
・ペット可
「じゃあこの条件で、今あるチラシやパンフレットを仕分けしましょう! 当てはまらないのは思い切って捨てちゃいましょう」
情報を整理すると、次の行動が明確に!
仕分け後、手元に残ったのは数軒になりました。「これくらいなら一つずつじっくり見ることができるわね」と、やる気が戻ってきたママさんを中心にチラシを囲みます。
「同じ3LDKでもいろんなタイプがあるのね」とママさん。「これはやっぱり実際に見て確認したいわね」
「近くに大きな公園はある?」とタッくん。
「最寄駅からの地図があるから、インターネットで検索して、その辺りの航空写真と照らし合わせて探してみよう」とパパさん。「空からの画像は緑が多い場所や道路の広さ、学校やスーパーの場所などもわかって便利だね。現地に行く前にこれでだいたいの雰囲気をつかんでおこう」
「この小さな字でたくさん書いてあるのは、何?」とタッくんが指さすところを見ると、これまではあまり気にしなかったさまざまな情報がたくさん掲載されていることに気づきました。「用途地域」「建ぺい率」「容積率」など、意味がよく分からないものもあります。「あとでちゃんと調べなきゃ。パパさんお願いね!」とママさん。
物件情報を正確に読み取るには、もう少しお勉強が必要なスマイル一家です。
愛犬ワンダのワン!ダフル アドバイス
「情報の洪水に巻き込まれないように気をつけるワン!」
週末ともなると、新聞にはたくさんの物件情報が折り込まれるワン。それ以外にもパソコンで検索すれば山のように物件情報がある。立派な写真などが使われている広告は見ているだけでも楽しいけれど、購入の対象にならないものを見るのは時間がもったいないワン。自分たちはどういう情報を探しているのか、あらかじめ条件の整理をしてから物件情報を集めることが大切だワン。
公開日:2017年06月21日
監修:中原茂
中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、資産運用部門などでの勤務を経て、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。 各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。
不動産監修:中村嘉宏
1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)
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スマイルすまい編集部
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