マンションのベランダの有効活用法5選!ベランダ選びのポイントも

マンションのベランダの有効活用法5選!ベランダ選びのポイントも

上原宏介

「マンションのベランダってどうやって有効活用したらよいのだろう?」とマンション選びの際にベランダの活用方法で悩んだり、「マンションのベランダで家庭菜園するには、どれくらいの広さが必要だろう?」とベランダの選び方について悩んでいませんか?

この記事では、マンション購入を検討されている方向けに、ベランダを目的に合わせて活用する方法や、ベランダ選びのポイント、注意点を紹介します。
ベランダの活用や選び方の参考にしてください。

ベランダ・バルコニー・テラスの違い

「ベランダ」「バルコニー」「テラス」、似ているようで違うこの3つの違いをご存じでしょうか?
それぞれどういった住宅設備かに触れながら、異なるポイントについて解説していきます。

ベランダ・バルコニー・テラスの違い

ベランダとは

建物に沿って張り出す形で設置されていて屋根のある縁を、「ベランダ」と呼びます。語源はポルトガル語の「varanda」です。
階数に関係なくこのような作りの設備をベランダと呼びますが、ベランダは屋根が備わっている点が特徴です
ちなみに、伝統的な日本家屋に設けられている縁側もベランダの一種です。

バルコニーとは

ベランダと同じく、建物から張り出した住宅設備である「バルコニー」。語源はイタリア語の「Balcone」です。
2階以上に設置されている設備で、ベランダとの違いは屋根がない点です。
階下の屋根を利用する形で設置されているバルコニーをルーフバルコニーと呼びます。

テラスとは

建物の1階に設置された地面よりも一段高い台のような住宅設備である「テラス」。語源はフランス語の「terrasse」です。
ベランダとの違いは屋根がない点で、バルコニーとの違いは1階に設けられているという点です。

マンションのベランダの有効活用術5選

マンションのベランダはバルコニーやテラスとは異なり屋根が設置されているため、さまざまな方法で有効活用できます。
マンションの有効活用術の中でも特にお勧めの5つの活用方法を紹介します。

なお、実際にマンションのベランダを有効活用する場合、いくつか注意するべきポイントがありますが、注意点については後ほど詳しく解説します。

リラックススペース

リラックススペース

ベランダにサイドテーブルなど小さめのテーブルや椅子を設置すれば、日の光と心地よい風が感じられる最高のリラックススペースに生まれ変わります。

在宅勤務の休憩中に椅子に座ってコーヒーを飲みながら一息ついたり、日の光や風にあたりながら昼寝を楽しんだりできます。
休日には家族で食事を楽しんだり、団らんスペースとして活用したりするのもお勧めです。
さらに、高層階の部屋であれば景色を楽しむこともできます。

子供と遊ぶ場所

子供と遊ぶ場所

小さなお子様のいるご家庭には、子供と遊ぶ場所としてベランダを活用するのがお勧めです。

最近は新型コロナウイルス感染症の影響により気軽に出かけることができないため、お子様もストレスを溜めてしまいがちですが、ストレス解消に大いに貢献してくれます。
夏場の天気の良い日であればビニールプールを出して遊べますし、外だと少し遊びにくいシャボン玉遊びも、人の目が気にならないベランダであれば思いっきり遊べますよ。

ベランダでお子様を遊ばせるときの注意点は、後述の「ベランダを利用するときに注意するべき3つのポイント」で説明します。あわせてお読みください。

ガーデニング

ガーデニング

ベランダは住宅の中でも特に日が当たりやすい場所ですので、ガーデニングを行う場所としても最適です。
花や緑があるだけで住宅の雰囲気がガラッと変わるので、イメージチェンジや彩りを与えるのにお勧めですよ。
また、ご自身の趣味の1つとして楽しむのはもちろん、お子様と一緒に植物を育ててコミュニケーションを図ったり、いろいろと学ばせたりするのもお勧めです。

家庭菜園

家庭菜園

もっと役立つ形で緑を取り入れたいのであれば、家庭菜園がお勧めです。
住宅が華やかになりますし、ちょっとした自給自足にもつながるため、一石二鳥の活用術と言えるでしょう。
「家庭菜園」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、プチトマトやハーブ類などプランターのみで気軽に始められるものもたくさんあります。

こちらの記事では家庭菜園で育てたハーブを使ったハーブティーの作り方も紹介しています。ぜひ挑戦してみてください。
簡単自家製ハーブティーの作り方!ベランダやお庭での栽培も紹介

作業場

作業場

昨今の新しい生活様式の影響を受けて在宅勤務になった方は少なくないと思いますが、一日中部屋にこもって作業していると息が詰まってしまいます。

そこでお勧めなのが、ベランダの作業場化です。
パソコンを置ける広さのテーブルと椅子を設置してベランダで作業を行うことで、気分転換や作業効率の向上が見込めます。

マンションのベランダ選びの3つのポイント

ベランダを有効活用したいと考えている場合は、ベランダ選びのポイントを意識しながらマンションを選ぶことが大切です。

特に意識したほうが良いベランダ選びのポイントとしては、下記の3点が挙げられます。

  • 広さ
  • 日当たり
  • 景色

ベランダの広さは、ベランダをどう活用したいかに合わせて選んでみてください。

特に注目したいのがベランダの「奥行き」です。
ベランダの奥行きが70~80cmほどだと人が一人歩ける程度の広さしかないため、洗濯物は干せますがベランダを有効活用することは難しいです。
ベランダでガーデニングを楽しみたいのであれば100cm以上の奥行きが必要ですし、テーブルや椅子を置いてリラックススペースにしたいのであれば130cm以上の奥行きがあるベランダを選びたいところです。

日当たりも必ず確認するようにしましょう。
ベランダの日当たりはベランダが設置されている場所の方角によって異なりますが、一日中日が当たる南向きか、朝に日が当たる東向きがお勧めです。
日が当たる時間が長くなればそれだけ洗濯物が乾きやすくなりますし、朝しっかりと太陽の光を浴びることができれば体内のリズムが整った状態で一日をスタートさせることができます。

ただ、仕事の関係上起きる時間が遅いという方や夜勤が多い方の場合は、夕方に日当たりが良くなる西側にベランダのあるマンションがお勧めです。

また、ベランダからの景色も必ず確認しておくようしましょう。
せっかく魅力的なベランダのある部屋を選んだとしても、景色がイマイチなベランダでは魅力が半減してしまいます。

マンションのベランダは、これらのポイントを意識しながら選ぶようにしましょう。

ベランダを利用するときに注意するべき3つのポイント

実際にマンションのベランダを利用する場合、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。
今回は下記の3つをご紹介します。

  • 子供の安全性の確保
  • 近隣の部屋への配慮
  • 避難経路の確保

子供の安全性の確保

マンションの購入を検討されている方の中には、小さなお子様がいらっしゃったり、これから迎えるというご家庭もあるかと思います。
その場合、万が一の事故に気をつけなくてはいけません。

消費者庁のデータによると、平成27年~令和元年の間に5歳以下の子供が窓やベランダからの転落によって緊急搬送された件数は70件で、そのうちの26件がベランダで発生しています。
また、ベランダとつながっている窓を開放する機会が増える夏頃に発生することが多く、年齢別に見ると3~4歳の転落事故が多くなっています。

窓やベランダからの転落事故における、年齢別の救急搬送件数

出典: 「注意喚起 窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!」(消費者庁)を加工して作成

子供は大人が想像もしないようなアクションを取ることがありますので、下記を十分に配慮して遊ばせるようにしましょう。

  • ベランダの柵に近づけないようにバリケードを設置する
  • 子供が登れる台や台の代わりになるようなものをベランダに置かない
  • 子供をベランダで遊ばせるときは絶対に手の届く範囲から離れず、目を離さない

近隣の部屋への配慮

ベランダはさまざまな方法で有効活用できる魅力的な住宅設備ですが、近隣住民とのトラブルの元になりやすい住宅設備でもあります。

ガーデニングや家庭菜園を行う際は、水の処理や害虫に気をつけなくてはいけません。
マンションのベランダの排水溝には勾配が付いているため、水の流れを止めることはできませんし止めるべきではありませんが、ガーデニングによって発生したごみが排水と一緒に流れないよう気を付ける必要があります。
目の細かい網やネットなどを使って対策しましょう。
その他、ホウキやチリトリを使って掃除をしてから排水溝を洗い流すなど、なるべく隣の部屋に配慮しながらガーデニングを楽しむよう心がけてください。

また、よくあるトラブルとして喫煙が挙げられます。
部屋の中での喫煙を避けてベランダで吸おうと考えている方も少なくないかと思いますが、マンションの管理規約や使用規則に「ベランダでの喫煙禁止や火気厳禁」と書かれていることがあります。その場合、ベランダでタバコを吸ってはいけないとルールで決められていることになりますので、しっかりと規約等を確認するようにしましょう。
マンションの住民は区分所有法により管理規約を守る義務があると定められているため、ルールに違反すると損害賠償請求が発生する場合もありますので、十分に注意してください。

規約等を確認した上で、ベランダを喫煙スペースにするのであれば、吸い殻をきちんと処理するのはもちろん、煙にも配慮しなくてはいけません。
近隣住民に迷惑がかからないよう、下記のような心がけが必要です。

  • 近隣の部屋に洗濯物が干されているときには喫煙しない
  • 近隣の部屋の窓が開いているときは喫煙しない
  • 煙の出ないタイプのタバコに切り替える

避難経路の確保

マンションのベランダは万が一の際の避難経路になっていることを認識しましょう。
消防法(※1)では、「避難の妨げになるものはベランダに置いてはいけない」と規定されています。
ベランダに置いていいものに関しては、マンションによって規約等が異なるため、いざという時のためにしっかりとルールを確認し、避難の妨げになるようなことがないよう注意してください。

※1 「特定共同住宅等の構造類型を定める件(平成17年消防庁告示3)」(総務省消防庁)

ベランダの有効活用でマンション生活をもっと豊かに

新型コロナウイルス感染症が流行してからというもの、私たちの暮らしは大きく変化しつつあります。
外に出かけることが減り、住宅にいる時間が増えたことで、「住宅をどうやってより快適な空間にするか」「おうち時間をどう充実させるか」が、これまでにないほど重要視されてきていると言っていいでしょう。

そして、その役割の一端を担ってくれるのが「ベランダ」です。
ベランダを有効活用できれば、おうち時間をより充実させることが可能です。
むしろ、家にいるのが楽しくなるかもしれません。

それには、有効活用できるベランダのあるマンションを選ぶことも大切です。
広さ、日当たり、景色など、ベランダ選びのポイントを参考にしながら、ベランダの有効活用を意識してマンションを探されてみてはいかがでしょうか?

公開日:2021年09月17日

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上原宏介

上原宏介

注文住宅やリフォーム、リノベーションなど、住宅に特化したライターとして活動中。 豊富な知識・経験を元に、住宅の購入を検討されている方やリフォーム、リノベーションを検討されている方の役に立つ情報をお届けしています。

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