スマイルすまいの見つけ方 第6話
暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。優しい会社員のパパさんとすてきな暮らしに憧れる在宅勤務のママさん、しっかりものの保育園児タッくんに、愛犬ワンダが加わった仲良し家族です。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。
「夢」が膨らむモデルルーム見学
お友達の家に遊びに行った帰り道に「モデルルーム公開中」という看板を見つけたママさん。タッくんのお迎えまで30分くらいは余裕がありそうなので立ち寄ってみました。
「すみません。見せてもらえますか?」緊張して入っていくと、「どうぞ!」とにこにこ笑顔で迎えてもらって一安心。「私が担当します」という方から名刺を渡されて、「よろしければお部屋をご案内いたします」と声を掛けられました。モデルルームは3LDKのお部屋です。
玄関を入ると、飾られている花や絵画、センスのいい置物などにママさんの目はくぎ付け。
「ステキ!」「おしゃれ!」と興奮しながら一つ一つの部屋やトイレ、洗面所、お風呂、キッチンなどを見て回ります。どの場所にも観葉植物やきれいな花などが飾られていて、インテリアの色のコーディネートも素晴らしい。リビングルームのテーブルには、これからパーティーが始まるかのような豪華なカトラリーやお皿がセットされています。一気に新生活への夢が広がったママさん、「ああ、こんなお部屋に住みたいわ~」。
モデルルーム見学の後のアンケート、記入はどうする?
あっという間に時間が過ぎて、そろそろ急がないと保育園のお迎えに遅れてしまいます。
慌てて帰ろうとするママさんに担当者が「アンケートのご記入をお願いします!」と用紙を持ってきました。名前、住所、電話番号の他に、家族構成や世帯年収、希望のエリアや価格、間取りなど細かい項目がずらっと並んでいます。時間もないし、ちょっと面倒だなと感じてしまったママさんは「今日は急ぐので、ごめんなさい」とお断りしましたが「せめてお名前と連絡先だけでもお願いします」と重ねて頼まれて、名前と電話番号を記入。説明の途中に受け取った、図面が載ったパンフレットを持って保育園に急ぎます。
「タッくん、お待たせ!」
「ママ、今日はちょっと遅かったね。どこに寄り道してたの?」と鋭いツッコミのタッくん。
まだ夢見心地のママさんは「ステキなお部屋を見てきたの」とうれしそう。
夜になって帰宅したパパさんも一緒にみんなでパンフレットを見ていると電話が鳴りました。「本日は、ありがとうございました!」モデルルームで会った担当者さんからです。
モデルルーム見学の際のルールを家族で決めておこう
「感想などを聞かれて電話を切ったママさんが振り返ると、パパさんがなんだか難しい顔をしています。「不用意に電話番号を教えるのはよくないんじゃないかな?」確かに、これからたびたび電話がかかってくるのは気が重いなぁとママさんも内心では感じていましたが、「だけど、とっても親切に案内してもらったし、いい情報をどんどん下さるそうだからいいじゃない」。「だけど、まだ買う気もないのに……」とパパさんの心配は消えません。
「だったら、ルールを決めたらいいんじゃないの?」とタッくん。「ルール?!」
「うん。電話番号を教えていいときと教えないときのルールだよ」
それはいいね!と話し合って、スマイル一家ではこんなルールができました。
・見学してみたいだけのときは、アンケートは記入しない
・真剣に検討しようと思ったときは、丁寧にアンケートに答える
「これからは、そうするわ。今日はごめんなさい」と謝るママさんに、「いいんだよ。これからもママが見学していいなと思ったら、次は家族みんなで見に行くことにしようよ」とパパさん。「賛成! 僕も一緒に行きたいもん」というタッくん。「ワン!」と愛犬ワンダも賛成のようです。
愛犬ワンダのワン!ダフル アドバイス
「モデルルームを見るときは冷静さが必要だワン」
モデルルームは間取りや広さが実感できたり、憧れのステキな暮らしを見せてくれるのがいいところ。その反面、インテリアなどに惑わされて本来の物件の価値や条件のチェックを怠りがちだワン。たくさん見るのは悪いことではないけれど、そのたびに名前や住所、電話番号を教えていたらDMや電話がどんどん来てびっくり! なんてことにもなりかねないワン。「今日は見学だけさせてください。検討するときは家族でまた来ます」と言えばOK。心配しないで気になる物件にはどんどん飛び込んでみるといいワン。また、モデルルームはあくまで部屋のイメージを伝える「モデル」なので、実際の建設地とは別の場所に建てられていたり、実際の物件でないことを頭に入れておこうワン。
公開日:2017年06月21日
監修:中原茂
中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、資産運用部門などでの勤務を経て、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。 各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。
不動産監修:中村嘉宏
1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)
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スマイルすまい編集部
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