スマイルすまいの見つけ方 第2話
暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。優しい会社員のパパさんとすてきな暮らしに憧れる在宅勤務のママさん、しっかりものの保育園児タッくんに、愛犬ワンダが加わった仲良し家族です。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。
バーベキューができる大きな庭が欲しい!
「やっぱりバーベキューグリルで焼いたスペアリブは絶品ね!」
スマイル一家の楽しみは、アウトドアでのバーベキュー。同じくアウトドア好きの友人家族と、渓流沿いのデイキャンプ場にやってきました。
ママさんとママ友さんは、もっぱらおいしい料理を食べる担当。パパたちは、タープを立てたり、テーブルと椅子を並べたり、火をおこしたりと準備を含めて楽しんでいる様子です。
「いっぱいキャンプ用品持っているよね」とパパさん。
「本当は、もっと手軽に使える場所があればいいんだけど、市街地だとなかなかね……」とパパ友さん。
「自宅だと狭いから、たくさんの人数で集まるなら、ちょっと面倒だけど外の方が開放感もあるし、子どもも伸び伸びできるしね」とはパパさん。
「家に大きな庭があればいいんだよ。ワンダと一緒に走り回れるし」とタッくん。
「それいいじゃない!」とママさん。「庭にモミノキを植えて、クリスマスにはイルミネーションを飾り付けて、それを家のカウンターキッチンから眺めながら、おいしいケーキを焼いたり、食べたり、食べたり……」
「ママは、おいしく食べられる生活が幸せなんだよね」
あれもこれも……。夢が膨らむ理想の住まい
楽しかったバーベキューから帰ってきて、ほっと一息。スマイル一家の住まい探しに方向性は見えてきたのでしょうか。
「やっぱり、想像して楽しくなるのが理想の家なのかもよ」とママさん。「例えば、小さくてもいいから、おいしい野菜を育てられる家庭菜園があってもいいんじゃない?」
「そうだね。僕も小さくてもいいからガレージがあると、細かな工作がいっぱいできそう。DIYで部屋にピッタリな家具を作るのもいいね」とパパさん。
「庭にはブランコがあって、家の中には滑り台があって、2階から1階までスーッて降りられるといいな。ハンモックがあるとお昼寝もいっぱいできるよね。きっとワンダも喜ぶよ。あとはね、はしごをどんどん上ると屋根には見晴らし台があるんだよ。お友達が来るのがすぐに分かるよね」とタッくん。
「う~ん……。公園みたいで面白そう!」とパパさんとママさん。
希望をかなえようとすれば、持ち家の方がいいのでしょうか。
「戸建ての持ち家が前提みたいな感じになってきたけど、この近辺にそんな土地は少なそうだし、そもそも予算が合わないような気もする……」とママさん。
「仕事や学校のことを考えると、家のために郊外に引っ越すのもちょっと無理がありそうだね」とパパさん。
“あぁ、わが家が一番”なママの実家
持ち家に暮らす幸せって、どんなところにあるのでしょうか。
「自分たちの持ち物だから、大事に楽しく使おうと思う気持ちかしら」とはママさんの弁。「今のように賃貸だと何かと気を使うけど、持ち家だと気兼ねなく暮らせそう。設備を加えたり壁紙を変えたり、手を加えながら住みやすくリフォームしていくのも楽しそう」とDIY好きなパパさん。
「バーベキューやキャンプが楽しいのって、自分たちの好みでアレンジできるプロセスだと思うんだよね。持ち家の良さってそんな感じかな」と夢は広がります。「あとは、自分たちの資産として、タッくんに残せる安心感は大きいな」と親心も……。
では、持ち家の弱点って?
「賃貸と比べると、住み替えるのは難しくなりそうよね」とママさん。「手狭になったり広すぎたり、リフォームでは対応できない変化があるかもしれないし……」
「もし収入が減ったときに、住宅ローンが重荷になるのはつらいかも。そういった意味では賃貸の方が気楽かな」とパパさん。
「でも、持ち家を維持するのは大変かもしれないけど、その分、家への愛着が深まると思うわ」とママさん。「私の実家は持ち家だけど、お母さんも旅行から帰ってくると口癖のように“あぁ、わが家が一番”って言うし」
「きっと、おばあちゃんにとっては幸せな家なんだね」とタッくん。
わが家とは、年月を経ながら家族でつくっていくものなのかもしれませんね。
愛犬ワンダのワン!ダフル アドバイス
「幸せのために持ち家が必要なのか考えてみよう」
持ち家は自分の資産になるという大きなメリットがあるけれど、幸せの尺度で住まいを考えると、経済的な価値だけでは語れないワン。安心感や満足感といった心理的な支えがあることが意外と大きなポイントかもしれない。間取りや設備、庭の広さといったスペックも、それを家族がどれくらい幸せに感じるかどうかで価値が異なってきそうだワン。どの場所に住むかが最優先の家族にとっては、持ち家の選択肢がないことだってある。持ち家があるから幸せなのではなくて、幸せのために持ち家が必要なのかどうかを考えるのが大切ということだワン。
公開日:2017年02月22日
監修:深田晶恵
ファイナンシャル・プランナー(CFP・1級FP技能士)、(株)生活設計塾クルー取締役。 1967年、北海道生まれ。8年間勤めた外資系電機メーカーを退職後、1996年にFPに転身。現在は生活設計塾クルーのメンバーとして、一人一人の将来設計に応じたマイホーム資金計画や、資産運用、保障設計のコンサルティングを行うほか、新聞・雑誌等への原稿執筆や、マネーセミナー講師なども手掛ける。すぐに実行できるアドバイスをするのがモットー。日本経済新聞、日経WOMAN(日経BP社)、ダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)、レタスクラブ(KADOKAWA)などでマネーコラムを連載中。著書に『住宅ローンはこうして借りなさい』『定年までにやるべき「お金」のこと』(共にダイヤモンド社)、『老後のお金 安心読本』『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(共に講談社)など多数。
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スマイルすまい編集部
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