中古住宅の購入とリフォームにはいくらかかる?費用を抑える方法や補助金まで詳しく解説

中古住宅の購入とリフォームにはいくらかかる?費用を抑える方法や補助金まで詳しく解説

いもとちひろ

近年、中古住宅を購入して、リフォームを行う方も増えてきています。
中古住宅のリフォームが人気の理由は、新築と比べて比較的低予算で理想の暮らしを手に入れられるからでしょう。

この記事では、「中古住宅の購入やリフォームにはどのくらいの費用がかかるんだろう?」と疑問に思っている方に向けて、中古住宅の購入やリフォームにかかる費用相場をはじめ、費用を抑える方法、補助金や減税制度についても説明します。

中古住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

中古住宅の購入とリフォームにかかる費用相場

中古住宅をリフォームするためには、まずは物件探しから始めることになります。中古住宅を購入してリフォームを行っている人は、住宅購入にどのくらいの費用をかけているのでしょうか。

令和2年度に国土交通省が実施した「住宅市場動向調査報告書」から、住宅購入費用の平均値を見てみましょう。

住宅購入資金・リフォーム資金の平均金額

出典:「令和2年度住宅市場動向調査報告書」よりP41「2.4.1 購入資金、リフォーム資金」(国土交通省)を加工して作成

まずは、新築物件の平均購入費用です。
土地を購入して注文住宅を建てた人の土地・建物の費用総額は、全国平均で4,606万円。東京・大阪・名古屋の三大都市圏で分譲戸建住宅を購入した人の購入費用の平均は3,826万円、分譲マンションは4,639万円です。
このように、統計を見る限りでは、新築物件を購入した人は物件購入費用に平均で4,000万円前後かけています。

対して、中古戸建住宅を購入した人の購入費用の平均は2,894万円、中古マンションは2,263万円、そしてリフォーム費用は181万円でした。

平均値で見ると、中古住宅を購入したうえでリフォームを行ったとしても、新築住宅を購入するよりも大きく費用を抑えられていることが分かります。
しかし、中古住宅をリフォームする場合は、リフォームの規模によって費用が大きく前後するため、必ずしも新築住宅より費用を抑えられるとは限りません。

では、リフォームには実際どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか。次項で詳しく説明します。

部分別にリフォームをする場合の費用相場

リフォームには、室内全体をリフォームする「フルリフォーム」と、設備や一部分のみをリフォームする「部分別リフォーム」があります。部分別にリフォームを行う場合、それぞれどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

部分別リフォームの費用相場

キッチンリフォームの費用相場

キッチンリフォームの費用相場は40万円〜200万円程度と、とても幅広くなっています。

50万円未満で抑えられるリフォームは、コンロやレンジフード、食洗機などの部分交換です。
システムキッチンごと交換する際にかかる費用は100万円以内で収まることがほとんどですが、設備のグレードや設置方法、オプションによっては相場を超えてしまう場合もあります。
また、壁付タイプのキッチンからアイランドキッチンへ変更するなど、給排水の工事が必要になる場合は100万円を超えることがほとんどです。

さらに、設置位置の変更や1階から2階へ移動させるなど、大規模なリフォームを行う場合には、水道・ガス・電気などの配管工事が必要になるため費用は一気に跳ね上がります。

浴室リフォームの費用相場

浴室リフォームの費用相場は、50万円〜250万円程度です。浴室のリフォームもキッチンと同様に、浴槽の種類やグレードによって費用は変動します。

  • 新しいユニットバスへの交換:50万円〜150万円程度
  • 在来工法の浴室からユニットバスへの交換:60万円〜150万円程度
  • 浴室の拡張・移動・増築:70万円〜250万円程度

浴槽自体の費用は、低〜中グレードであれば20万円〜50万円程度、高グレードの場合は80万円程度です。ここに解体・撤去・工事費用などのさまざまな費用が加わることにより、総額が50万円〜250万円になります。

ただし、浴室の拡張・移動・増築などによって給排水やガス工事が必要になる場合には、工事内容によっては費用相場を大きく上回る可能性もあります。

洗面所リフォームの費用相場

洗面所リフォームの費用相場は、10万円〜100万円程度です。

洗面台の交換や壁紙、床材などの内装のみの簡単なリフォームであれば、20万円前後でリフォームすることができます。

中〜高グレードの洗面台への交換、洗面所の内装全体をリフォームする場合には20万円〜100万円程度の予算を考えておいてください。

トイレリフォームの費用相場

トイレリフォームにかかる費用相場は、10万円〜50万円程度です。

温水洗浄便座の設置や和式から洋式への交換であれば、トイレ全体をリフォームしたとしても50万円以内で収まるでしょう。ただし、タンクレストイレや多機能トイレなど、設置するトイレのグレードによって費用は多少前後します。

トイレ室内の拡張・移動・新設などの大掛かりなリフォームを行う場合にはさらに費用がかかるため、予算を決めてから検討すると良いでしょう。

中古住宅のリフォーム費用をできるだけ抑える3つの方法

リフォームにかかる費用は、設置する設備の内容やグレードによって異なることを説明してきました。こだわれば、こだわるだけリフォーム費用はかさんでいくものです。
ここでは、そんな高額になりがちなリフォーム費用を、できるだけ抑える方法を3つ紹介します。

リフォーム費用をできるだけ抑える3つの方法

リフォーム箇所を絞る

リフォームを行うときには、なんとなく全体をリフォームするのではなく、リフォーム箇所を絞ることが大切です。
「なんとなく全体をきれいにしたいな」という、ざっくりとした希望で室内全体をリフォームすると、高額な費用がかかってしまいます。

中古住宅のリフォームを行うときは「水回り設備、リビングの壁紙、フローリングのみをリフォームする」など、家族でリフォームの優先順位を話し合いながら、リフォーム箇所を絞ることをおすすめします。

リフォーム箇所ごとに予算を決めておく

リフォーム箇所を決めたら、次はリフォーム箇所ごとの予算を決めます。
前項で紹介した費用を見るとわかるように、リフォーム費用は選ぶ設備の種類やグレードによって大きく前後します。予算が曖昧なままリフォームを進めてしまうと、ついつい高機能なものばかりを選んでしまったりオプション類を増やしたりしてしまうものです。

リフォーム全体の予算内に収めるためにも、「ここには費用を充てて、ここは抑える」というように、リフォーム箇所ごとの予算をしっかりと家族で話し合っておきましょう。

また、「予算を超えてしまうけれど、どうしてもこの機能は追加したい」という希望が出てきたときや、追加工事が必要になったときのために、リフォーム予算の10%〜20%の金額を予備費として考えておくのもおすすめです。

減税制度や補助金を活用する

リフォームを行った場合、国や自治体からの補助金が給付される制度が多数あります。また、減税制度などの税優遇を受けられるケースもあるので、これらの制度を活用すればリフォーム資金や固定資産税の支払い資金に充てられます。

では、リフォームにはどのような減税制度や補助金があるのでしょうか。次項で詳しくご説明します。

中古住宅をリフォームするときに受けられる減税制度と補助金

中古住宅を購入、およびリフォームする際には、減税制度や補助金などのさまざまな制度を利用することができます。
ここでは、リフォームを対象とした3つの制度を紹介していきましょう。

リフォーム費用をできるだけ抑える3つの方法

住宅ローン減税制度

中古住宅における「住宅ローン減税制度」とは、返済期間10年以上のローンを組んで中古住宅を取得した場合に、10年間にわたって毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が控除される制度です。(※1)

ただし、中古住宅の場合には耐震性を証明する必要があるなど、いくつか条件があります。住宅の状態によっては制度を受けられない可能性もあるので、住宅の購入前に制度の対象になるのか必ず確認しておきましょう。

※1「住宅ローン減税制度の概要」(すまい給付金事務局)

長期優良住宅化リフォーム補助金

「長期優良住宅化リフォーム補助金」は、既存の住宅を「耐久性・耐震性・省エネ性・維持管理性」が高くなる住宅にリフォームした場合に、最大で300万円が支給される制度です。(※2)

補助金の限度額は、評価基準型100万円・認定長期優良住宅型200万円と、リフォームの内容によって2段階に分かれています。

また、「三世代同居を実施する場合」「若者(40歳未満)や子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)が工事を実施する場合」「中古住宅を購入し、売買契約後1年以内に工事を実施する場合」の工事であれば、上記の金額に加えて50万円が追加で支給されます。

※2 長期優良住宅化リフォーム推進事業評価室HP:令和5年度 良質な住宅・建築物の 取得・改修に関する支援制度等説明資料よりP52「4.良質な住宅ストックによる新たな循環システムの構築」(国土交通省)

こどもみらい住宅支援事業

中古住宅における「こどもみらい住宅支援事業」は、中古住宅を購入して省エネリフォームを行った場合に、最大で60万円が補助される制度です。(※3)

対象条件がある新築住宅とは異なり、中古住宅の場合には世帯の属性条件はなく、すべての世帯が対象となります。
子育て世帯や若者夫婦世帯の場合には最大で60万円、その他の世帯では最大で45万円が補助されます。

ただし、こどもみらい住宅支援事業の補助金申請は、登録事業者しか行えません。リフォーム会社を選ぶ際には、登録事業者であるのかを確認しておきましょう。

※3「こどもみらい住宅支援事業」(こどもみらい住宅支援事業事務局)

中古住宅の購入費用やリフォームにかかる費用相場を把握して、納得のいくリフォームを

中古住宅を購入してリフォームを行えば、比較的低予算でマイホームを手に入れることができます。住宅の購入費用やリフォーム内容によっては、新築住宅を購入するよりも費用を抑えられることもあるでしょう。

しかし、リフォームをするときにはあらかじめ予算を決めておかなければ、リフォーム費用がかさんでしまう可能性もあります。「どこまでリフォームをするのか」「どの部分にどの程度の予算をかけるのか」など、しっかりと家族で話し合いながらリフォームを計画し、中古住宅をリフォームするからこそ叶う、理想のマイホームを手に入れましょう。

こちらの記事でも中古住宅についてのメリット・デメリットを紹介していますので、参考にしてみてください。
「中古住宅のメリットとデメリットが丸わかり!新築よりメリットが多いの?」

公開日:2022年6月7日

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いもとちひろ

大学で得た経験とFP資格の知識を活かし、家づくりや住宅資金、火災保険、相続など、住宅とお金に関する記事を中心に活動中。子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用にも関心あり。

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