手づくりの楽しみ オリジナルライト編 vol.3
「手づくり部員」によるオリジナルライト作りのラストを飾るのは、走馬灯を洋風にアレンジした、とてもかわいらしいプチライト。白熱灯の熱だけを動力にゆっくり回転する様子は、まるで小さなメリーゴーランド。子ども部屋のベッド脇で静かに回転しながら、夢の世界を映し出したかのようなシルエットを壁一面に浮かび上がらせます。
ハンドメイドやDIY好きのスマイルすまい編集部員が集まってできた、手づくり大好き集団。毎号、記事を通して「手づくりの楽しみや、自分で作ったものを使う幸せ」を皆さまにお伝えしていきたいと思います。
熱の力だけで回転するエコライト
手づくり部 手づくりライト教室「PAPERMOON」にお邪魔してのオリジナルライト作りも今回が最後。冬野先生、よろしくお願いします。
冬野さん 早いものでもうラストですね。よろしくお願いします。
手づくり部 今回は子どもに人気の動くライトを作るとか。
冬野さん はい。前回、和紙で「あんどん」を作りましたが、その外側が回転するような仕組みのライトです。絵柄を木馬にしたとき、メリーゴーランドのように見えるので、うちの教室では“メリー・ゴー・ライト”と名付けています。
手づくり部 ロマンチックな響きですね。動力源として電池やモーターを使うのですか?
冬野さん いえ。走馬灯とか回り灯籠(まわりどうろう)ってご存じですか?
手づくり部 何となく、記憶の片隅にあるような。
冬野さん それと同じ仕組みなのですが、電球の発熱で生じた上昇気流の力によって、上を向いた風車のように回転するのです。
手づくり部 とてもエコな仕組みですね。
冬野さん では、その風車に当たる屋根の部分から作っていきましょう。型がありますので、これに沿ってカットしてください。
手づくり部 はい。細かい作業のようなのですが、型があるので安心です。
冬野さん カットしたら、線に沿って折り、屋根が立体的になるようのり付けしていきます。
手づくり部 はい。
冬野さん このフィンの部分がとても重要。ここを上昇気流が通り抜けることで回転運動に変化します。
手づくり部 なるほど。
冬野さん 口数が少なくなりましたね。
手づくり部 集中力が切れないように必死です。小学校の図工の時間を思い出します。
冬野さん 屋根が完成したら今度はボディーです。
手づくり部 先ほどの屋根と違いシンプルな形なので、カットがとても簡単です。
自由な発想で、大胆なデザインを
冬野さん では、最も重要な絵柄のデザインに進みましょう。メリーゴーランドをイメージした馬や遊園地の図柄でもいいですし、自由な発想で好きに描いていただいても構いません。
手づくり部 どうしようかな。どうせなら回転する必然性のある題材がいいですものね。よし、決めました。
冬野さん 何を描いているのですか?
手づくり部 火星人です。プラネタリウムというか、宇宙をモチーフにします。
冬野さん 面白いアイデアですね。では、色の付いた紙を切り抜くなどして、先ほどの台紙に貼ってください。
手づくり部 はい。またしても細かい作業になりそうです。
冬野さん 市販の「型抜き」を使えば、簡単にいろいろな形の穴を開けることができますよ。
手づくり部 星形など、さまざまな種類の型がありますね。「宇宙」感が増すのでうれしいです。
冬野さん 穴から漏れた光が、部屋の壁や天井を照らすのできれいですよ。
優雅な回転が、まどろみを誘います
冬野さん 最後に、屋根とボディーの部分を接着します。
手づくり部 ここでも手先の器用さが要求されますね。
冬野さん 屋根の中心に画びょうを取り付けることを忘れずに。土台側に取り付けた軸受けに画びょうの先を載せてください。
手づくり部 はい。
冬野さん やじろべえのようにバランスが取れたら完成です。
手づくり部 なんとか完成できました。
冬野さん では、スイッチを入れましょう。30秒ほどで空気が温まり、回転が始まるはすです。
手づくり部 ああ、思ったよりずっときれいです。デザインが子どもっぽくなってしまい心配していたのですが。
冬野さん とてもいい味が出ていますよ。
手づくり部 手づくりライト教室は、子どもたちも参加することが多いのですか?
冬野さん 平日は、主婦の方が中心ですが、夏休みなどは大勢の子どもたちが参加しますよ。子どもの発想はとてもユニーク。カラフルな犬や猫など、色使いも大胆です。
手づくり部 常識にとらわれてはいけませんね。子どもたちを見習おう。
冬野さん せっかくオリジナルで作るのですから、既製品にはない自分好みのライトを作ってほしいと思います。
手づくり部 今回、3つの作品作りを通してあかりの魅力を再発見できました。ありがとうございました。
冬野さん こちらこそありがとうございました。最後に注意点を1つ。照明器具においてデザインよりも何よりも優先されるべきは安全です。今回使用した電球は15Wと消費電力はわずかですが、ワット数が高くなるとシェードなどが熱くなることもあります。安全面には十分に配慮してください。
※電球などの照明器具をご利用になる際は取扱い説明書に書いてある使用方法を必ず守り、火災に注意してください。
取材協力:PAPERMOON
“あかりの作家”冬野朋子さんが主宰する、あかりのアトリエ。手づくりライト教室の他、ライトセラピーや、あかりに関するセミナー・イベントも実施。手づくりライト教室では、基礎クラス、応用クラスの他、2時間の体験レッスンもあり。
http://www.papermoon-light.com
講師:冬野朋子さん
公開日:2017年06月01日
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スマイルすまい編集部
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