自宅で簡単!コケリウム(苔テラリウム)の作り方・レイアウトのコツなどをご紹介!

自宅で簡単!コケリウム(苔テラリウム)の作り方・レイアウトのコツなどをご紹介!

長井 紗莉菜

コケリウム(苔テラリウム)とは、苔(コケ)をテラリウム(水草水槽)のようにディスプレイしたもののことです。アレンジがしやすく、メンテナンスもアクアテラリウムと比較して容易なことから、インテリアとして人気を集めています。

苔には明確な寿命はなく、しっかりとメンテナンスを行えば種類によっては2~5年ほど楽しめるのも魅力のひとつです。
今回はそんなコケリウムの基礎的な作り方をご紹介します。道具やコケの選び方、レイアウト、初心者が気を付けたい3つのポイントについてまとめていますのでぜひご覧ください。

コケリウム(苔テラリウム)作りに必要な道具と水槽・土などの選び方

コケリウム(苔テラリウム)作りに必要な道具と水槽・土などの選び方

コケリウム(苔テラリウム)は、アクアテラリウムよりも比較的価格を抑えて作成できます。見た目を美しくしあげるためだけでなく、コケがしっかりと成長しやすい環境を作るためにはいくつか必要な道具がありますが、おうちにある物で代替も可能です。下記に必要な道具と選び方のポイントについてまとめたので、これから道具を揃えるという方はぜひ参考にしてください。

コケリウム(苔テラリウム)作りに必要な道具と水槽・土などの選び方

必要な道具 道具の説明
ガラス製の器
または水槽
ふたの有無は問わない。使わないコップなどでもOK。深さがあると作りやすい。
底砂 粒がきめ細かく、殺菌されたものだと苔の成長がしやすい。Webなどで販売されている専用の砂がおすすめ。
ピンセット コケを植え付けるときに使うため、先が細かく、容器に入れやすい細長い形状が理想。
スプーン 土を入れるときに使う。細長いものだと高さがある容器でも使いやすい。
ハサミ コケの長さを整えるときに使う。伸びすぎたコケを整える際など、メンテナンスに使うときは細長くて先端が少し曲がっている専用品を使うと便利。
スポイト(水差し) 作成時に水をかけて土台を安定させるときや、メンテナンス時の水やりに使う。水を入れすぎた場合はスポイトで吸い取ると良い。少量注ぐことができるサイズ感のものがおすすめ。
霧吹き 毎日の水やりに使用。容器の大きさにあわせたサイズ感だと使いやすい。
飾り砂 なくても可。レイアウト後に表面に飾る砂。100円ショップ等で売っている観葉植物用のものでも可。
アレンジ用の小物
(石や流木、フィギュアなど)
なくても可。奥行きを演出する際や、物語性のあるコケリウムを作る際に利用する。

容器によってはピンセットなどの長さが必要ないので、おうちにある物で間に合うという方も多いでしょう。また、専門品である必要がないものに関しては100円ショップで購入するという方法もおすすめです。最初のうちは、無理のない範囲で道具をそろえてみましょう。

初めてのコケリウムは水槽にあわせてコケを選ぼう

初めてのコケリウムは水槽にあわせてコケを選ぼう

コケリウム(苔テラリウム)に欠かせないコケ選びですが、注意しなければいけないのが「コケによって適した環境は違う」ということ。慣れるまではメンテナンスのことも視野に入れて、コケの特徴を抑えて組み合わせてみましょう。もし、レイアウトしたい容器がすでに決まっている場合は、その容器の特徴にあわせたコケ選びをするのもおすすめです。

コケリウム(苔テラリウム)や苔盆栽などでよく使われている「スナゴケ」は、河原や山地の日当たりが良い場所を生育環境に持ちます。その名前のとおり砂質の土壌にいることが多く、直射日光が当たる環境にも耐えられるというのも特徴です。しかし、あまり多湿は好みません。このような多湿を好まない品種はふたのない容器がおすすめです。

一方、湿度の高い環境を好むコケもいます。スナゴケと同じくコケリウム(苔テラリウム)で使用されることが多いスギゴケやヒノキゴケは、山林地帯の湿った土の上や沢のような湿度の高い環境に自生しています。ふた付きの容器であれば、湿度を管理しやすいので、このような湿った場所を好む品種を育てるのに適していると言えるでしょう。

このようにそれぞれのコケが自生する環境も知っておけば、レイアウトのリアリティも増しますし、どのようなコケを使えば良いかも想像しやすくなります。

コケの種類 生育環境 注意すること 育てる際のおすすめの容器
スナゴケ 日当たりが良い場所 多湿は避ける ふたのない容器
スギゴケ 風通しが良く湿度が高い場所 日中の直射日光は避ける ふた付きの容器で適宜ふたを開ける
ヒノキゴケ 湿度が高い場所 乾燥と直射日光は避ける ふた付きの容器

初心者でも簡単! コケリウム(苔テラリウム)の作り方

道具、そしてコケが用意できたら早速コケリウム(苔テラリウム)作りを始めてみましょう。今回はふたありの容器をつかって、コケリウム(苔テラリウム)を作っていきます。基本的な作り方はどのような容器、コケでも変わらないので自身の用意した道具にあわせて量などを調整しましょう。

1.底砂を1~2cm程度入れる

1.底砂を1~2センチ程度入れる

まずは容器に底砂を入れていきます。コケがしっかりと定着するように、最低でも1~2cm程度は入れましょう。

2.石(流木)など大きなアレンジ用のものを配置してバランスを整える

2.石(流木)など大きなアレンジ用のものを配置してバランスを整える

次に、アレンジ用の小物を配置する場所を決めます。小物の周りをコケで囲む場合は、深く刺さなくても問題ありません。

3.水で湿らせる

3.水で湿らせる

場所が決まったら土をスポイトで湿らせます。コケが定着しやすくするためだけでなく、配置した小物や土が動かないように固める効果があります。水の量は、土の色が少し変わるくらいを目安にしましょう。

4.コケを配置する

4.コケを配置する

いよいよコケを埋めていきます。今回はホソバオキナゴケとヒノキゴケの2種類を使用します。正面には飾り砂を使うため、その部分は空けてホソバオキナゴケを隙間なく埋め尽くすように敷きます。ヒノキゴケは背が高い苔なので、飾り砂を載せる際に引っかからないよう、最後にバランスを見て配置します。

5.飾り砂やフィギュアを載せる

5.飾り砂やフィギュアを載せる

スプーンを使って飾り砂を載せていきます。できる限りコケにかからないよう、注意しましょう。

最後に残りのヒノキゴケ(あれば飾り用のフィギュア)を配置

最後に残りのヒノキゴケ(あれば飾り用のフィギュア)を配置して完成です。コケを傷つけないよう、事前にレイアウトを決めてから配置することをおすすめします。

気を付けたい3つのポイント

初心者でも簡単に作ることができるコケリウム(苔テラリウム)ですが、多くの人が頭を悩ませているのがレイアウトです。もし、悩んだときは下記の3つのポイントを抑えてみましょう。

1.コケの高さを揃える

コケの高さを揃える

コケは同じ種類でも高さが異なります。たとえば、今回使ったヒノキゴケは高さのある種類なので、その違いは見た目から明らかです。このような場合は、種類ごとに高さをあわせて統一感が出しましょう。また、今回のように複数の種類のコケを使う場合は、同じ種類のコケを離れてバラバラに配置すると本格的に見えます。

2.土や石で奥行きを出す

土や石で奥行きを出す

土を斜めにして盛ることで奥行きを出すと、小さな容器でも雰囲気が出ます。石や流木などの小物を使うとより遠近感を生み出すことができます。レイアウトに悩んだときは渓谷など、実際に苔が生えている場所を画像検索してイメージを膨らませると、より豊かな発想が生まれます。

3.石や砂などのアレンジを加える場合は色をあわせる

石や砂などのアレンジを加える場合は色をあわせる

統一感を出すため、アレンジ系の小物は色をあわせると良いでしょう。今回は背景の石にあわせて、茶色の犬のフィギュアを置いていました。「山の中」「川辺」などテーマがある場合は、イメージにあわせた色で小物を統一すると物語性が出やすいのでおすすめです。

コケリウム(苔テラリウム)ってどう育てるの? メンテナンスのポイント

コケは植物のため、適度な水分と日光を必要とします。種類によってその湿度等は変わりますが、基本的なメンテナンスを欠かさず行えば長く美しい姿のコケリウムを楽しめるでしょう。

コケリウムのメンテナンスのポイント

  • カーテン越しの光が当たる場所に置く(直射日光はNG)
  • 35度以上の高温になる場所に置かない
  • 水やりは容器によって異なるため、土の乾き具合をしっかりと見る
    (土の色が濃く変わる程度、しっとりしているのが理想)

乾燥し過ぎると茶色く枯れてしまいますし、水をあげすぎてもカビの原因となります。適度な水やりの感覚をつかむのが最初は難しいかもしれませんが、毎日様子を見ながらコケリウムとの生活を楽しみましょう。

手軽に始められるコケリウム(苔テラリウム)にチャレンジしてみよう

石や砂などのアレンジを加える場合は色をあわせる

普段なじみのないコケですが、コケリウム(苔テラリウム)であれば日々成長を観察しながら楽しめるインテリアにもなります。また、手軽に、そして手頃に始められるのもコケリウム(苔テラリウム)の魅力。ぜひお子様やご家族と一緒にチャレンジして、お部屋に新たな仲間を迎え入れてみてはいかがでしょうか?

公開日:2022年10月06日

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さん

長井 紗莉菜

1993年生まれ。群馬県出身のフリーライター。人事、ライター・編集、久米島町地域おこし協力隊を経て、現在にいたる。久米島在住時代にはSNSを利用して特産品販売を行うなど、SNS運用アドバイザーとしても活躍。講演会等も実施し、地域×食×暮らしの分野で支援を行っている。

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