赤ちゃんとの生活に適した部屋づくりのポイント!住宅購入や準備を始めるタイミングは?

赤ちゃんとの生活に適した部屋づくりのポイント!住宅購入や準備を始めるタイミングは?

平岡陽華

「赤ちゃんとの生活に適した部屋づくりってどうすればいいの?」「子供の成長と家の購入のタイミングは?」
そんなお悩みを抱えていませんか?

この記事では、子育てのことを考えた住宅購入のタイミングや、赤ちゃんとの生活を考えた快適な間取りや部屋づくりのポイントについて、保育士としての視点と、2児の母親としての実体験も交えながら紹介していきます。

住宅購入を検討していて現在妊娠中の方はもちろん、将来的に赤ちゃんを迎えたいと考えている方や、すでにご家庭に赤ちゃんがいらっしゃる方もぜひ参考にしてください。

家の購入時期や赤ちゃんの部屋づくりを始めるのはいつから?

赤ちゃんとの生活に適した部屋づくりを始めるには時期が重要です。住宅購入や引越しの時期によって、部屋作りを始めた方が良いタイミングが異なります。
ライフスタイルや家族構成の変化に応じた住宅購入、引越しの時期を具体的なデータをもとに紹介します。

一般的な家の購入のタイミングはいつ?

将来的に赤ちゃんを迎えたいと考えているご家庭、もしくは、すでに赤ちゃんがいらっしゃるご家庭の場合、住宅購入は早い段階で行うことをお勧めします。

平成30年度に不動産流通経営協会が行った「住宅購入がライフスタイルに与える影響に関する調査」によると、結婚・出産・子供の就学を経験した住宅購入者の住宅購入時期は、結婚と同時かその前後が23.3%、第一子の幼稚園・保育園入園~小学校入学までが18.3%、第一子が生まれたときが17.7%と、住宅購入者の約6割が結婚や出産を期に住宅を購入しているという結果が出ています。

住宅購入者の初回購入タイミング

出典:「住宅購入がライフスタイルに与える影響に関する調査」よりP13「(図2)住宅購入者の初回購入タイミング」 (一般社団法人 不動産流通経営協会)を加工して作成

第一子の幼稚園・保育園入園や小学校入学前までに住宅を購入する人が多いのは、引越しに伴う転園・転校を避けたいご家庭が多いことが理由の1つと考えられます。
一つの場所に拠点を構えて落ち着いた環境で子供を育てたい方は、早い段階での住宅購入検討をお勧めします。

引越しに適した時期はいつ?

ライフスタイルや家族構成の変化によって引っ越しをする場合、時期は出産前もしくは出産後1年程経ってからがおすすめです。
出産後すぐは慣れない生活が続きますので、引越し準備や荷ほどきを行うことが大変だからです。

出産前か生活リズムが安定してくる出産後1年後以降であれば、比較的余裕を持って引越し作業を行うことができるでしょう。

赤ちゃんを迎える準備を始めるタイミングはいつ?

赤ちゃんを迎える準備の時期については、安定期に入る妊娠5~7ヵ月がおすすめです。

準備を始めるタイミング

妊娠後期に入る7ヵ月を過ぎるとお腹が大きくなって買い物に行くのも大変になるため、安定期と言われている妊娠5ヵ月から7ヵ月の時期に準備をすることで、身体への負担を少なくしながら準備を進めることができます。
出産はいつになるかわかりません。産休に入ってから出産準備をしようと思っていたのに、準備がままならないまま出産を迎えたという場合もあるため、早めに準備を始めましょう。

赤ちゃんの部屋づくりに適したレイアウトや準備するものを紹介!

赤ちゃんの部屋づくりを始めるにあたり、どんなレイアウトが子育てに良いのか、何を準備したら良いのか、疑問を持つこともあるでしょう。
ここからは、赤ちゃんの部屋づくりのレイアウトや準備するものについて具体的に紹介します。

おすすめの間取り

赤ちゃんを迎えるお家の間取りは2LDK以上がおすすめです。
子供が小さいうちは1LDKでも十分ですが、それ以降のことを考えると2LDK以上あると余裕をもって生活することができます。

たとえば2LDKの場合、リビングとは別に、親の寝室・子供部屋を確保することができます。また、3LDK以上であれば子供部屋をその分多く確保できるため、子供の数が2人以上の場合も安心でしょう。
住宅購入をする際には、将来の家族設計をしっかりと話し合って間取りを決めることが大切です。

リビングの昼寝スペースで準備するもの

寝室とリビングが離れている場合は、リビングに昼寝スペースを作ることをお勧めします。
大人から近い場所で昼寝をさせていれば、赤ちゃんが起きたり泣き出したりした際にすぐに気付くことができます。また、うつ伏せ寝になった場合にすぐ戻してあげることもできます。

リビングの昼寝スペース

リビングに昼寝スペースを作る際は、ベビーベッドかベビー布団どちらを使うのかを決めておくことが大切です。筆者の母親として、また保育士としての経験では、ベビー布団がおすすめです。

昼間は抱っこから降ろすと泣いてしまうという子も多く、ベビーベッドで赤ちゃんを寝かせるのに苦労する方も多くいます。
しかし、ベビー布団であれば添い寝ができるので赤ちゃんが安心して寝てくれます。また、夜間授乳で寝不足が続いているなどお母さんの体が辛いときは、一緒に昼寝ができれば少し体を休めることができて一石二鳥です。

赤ちゃんの授乳スペースで準備するもの

授乳スペースには、授乳クッションやベッドテーブルを用意しておきましょう。
その理由は、授乳は多い時で1~2時間おきに行う場合があり、日中授乳を行う時間はかなり多くなるためです。
通常の授乳は3時間おきに行い、1回20分程度かかります。授乳スペースに授乳クッションやベッドテーブルを用意しておくことで、お母さんも授乳中快適に過ごせます。

収納ワゴンを準備するのがおすすめ!

赤ちゃんのお世話に必要なグッズは、おむつ・おしりふき・ガーゼ・着替え・体温計・綿棒・爪切りなど、たくさんあります。
それぞれ収納場所を分けるより、1つの場所にまとめた方が使い勝手が良いでしょう。

カゴや棚などもいいですが、キャスターがついていて移動が簡単なワゴンに収納するのがおすすめです。「収納ワゴン」や「ベビーワゴン」「赤ちゃんワゴン」と検索するといろいろ参考になるものが見つかります。

赤ちゃんの寝室で準備するもの

寝室は、どのような就寝方法にするのかを考えて準備することが大切です。
ベビーベッドの場合、赤ちゃんが安全に眠ることができ、ホコリ対策もできるというメリットがありますが、添い寝ができず夜泣きのたびに赤ちゃんのもとへ移動しなければいけないという大変さもあります。

一方でベビー布団や同じベッドで寝る場合、すぐに夜泣きの対応ができ、添い寝や添い乳をすることができますが、落下の危険や、親の掛け布団が顔にかかってしまうといったリスクもあります。
筆者としては、赤ちゃんと添い寝がしやすい「ベッドインベッド」がおすすめです。

「ベッドインベッド」であれば、赤ちゃんが親と同じベッドや布団で眠ることができ、周りに枠がついているため、落下の危険や顔に布団がかかってしまう可能性も低いです。
また、寝室とリビングが離れている場合でも持ち運びが簡単なので、お昼寝にも使うことができます。

そのほか、夜間授乳や夜泣きなどでおむつ替えをしたり着替えたりすることもあるので、寝室にも赤ちゃんのお世話に必要なものをまとめて置いておくことをお勧めします。
用意しておきたい物は、先ほどの「収納ワゴンを準備するのがおすすめ!」でご紹介した内容と同じですが、日中使うものと別に用意するのであれば、綿棒、爪切りは夜間は危ないので不要です。

赤ちゃんの沐浴のために準備するもの

1ヵ月健診で医師から許可が出るまでは、湯舟ではなくベビーバスを使って沐浴を行います。
ベビーバスは、キッチンや洗面台で使える空気で膨らますタイプがおすすめです。

赤ちゃんの沐浴

1ヵ月健診で医師の許可が出ると一緒にお風呂に入ることができるため、沐浴を行う期間は短いです。第二子のことを考えて保管しておく場合にも、空気で膨らますタイプであれば収納に場所を取りません。

また、沐浴をかがんで行うと足腰への負担も大きいので、キッチンや洗面台で立って行うやり方をお勧めします。
キッチンで沐浴を行う場合には、調理台にバスタオルを広げて置いておき、すぐに拭けるようにしておきます。
隣に着替えを準備しておきますが、肌着とロンパースなど2枚着せる場合には、肌着の袖をロンパースに通しておいて、1回腕を通すだけで着替えが済むようにしておくと楽です。

また、一緒にお風呂に入れるようになった後は、脱衣所にバスタオル・着替え・綿棒・保湿剤などを準備して置いておきましょう。

成長にあわせた部屋づくりのポイント

赤ちゃんを安全な環境で安心して育てるためには、成長に合わせた部屋づくりが欠かせません。
たとえば、ハイハイ期やつかまり立ち、つたい歩き期など、時期によっておさえておきたいポイントが異なりますので、それぞれ紹介します。

ハイハイ期

ハイハイをするようになると行動範囲が広がるため、誤飲やケガなどに注意が必要になります。それらを防ぐためにも、ドアガードやコンセントカバーを活用しましょう。
ドアガードやコンセントカバーは100円ショップでも購入できるため、赤ちゃんが安全に生活できるように事前に用意しておくことが大切です。

つかまり立ち・つたい歩き期

この時期は更に行動範囲が広がり、高いところにも手が届くようになるため、赤ちゃんの手の届くところには危ないものは置かないようにすることが大切です。

特に、危険が多く潜む台所には入れないようにしましょう。念のため、コンロのスイッチにロックをかけるなど、万一入ってしまっても危なくないように対策を行うことをお勧めします。

また、この時期は転倒が多くなります。転倒によるケガを防ぐため、床に貼るタイプのごっつん防止クッションなどの活用をお勧めします。
同時に、足音が気になってくる時期でもあるため、マンションの場合は防音対策にマットを敷くと良いでしょう。
一軒家の場合は階段があることが多いので、転落防止のためにも階段ガードを設置することも検討してくださいね。

成長に合わせた玄関スペースの活用がおすすめ

玄関のスペースは子供の成長に合わせて有効活用しましょう。
たとえば、赤ちゃんの時にはベビーカー、大きくなってくると三輪車やキックバイク、砂場道具等を置けるようにしておくと便利です。
これから引っ越しをするのであれば、玄関にクロークルームがあるところを選択することがおすすめです。

子供の靴や、おもちゃなどを収納できるスペースがあると、整理がしやすく、部屋の中も片付きやすくなるでしょう。

玄関スペースの活用

準備すること、あると便利なものや注意点

賃貸であれば引越しの可能性もあるので、その時の子供の成長に合わせて随時対策を行うことが多いですが、持ち家の場合は子供が大きくなっても長く住み続けることになります。
そのため、赤ちゃんの時だけではなく子供が成長してからの活用方法も考えて部屋づくりを行うのがおすすめです。

たとえば、子供を2人以上考えている場合、ベビーベッドを活用すると、2人目が1人目に踏まれてしまうような事故を防ぐことができるので、1人目からベビーベッドを購入することを検討してもいいでしょう。

赤ちゃんの部屋の温度や湿度はどのくらいが快適?

赤ちゃんが快適と感じる温度や湿度は大人とは違います。
赤ちゃんの体は皮膚や皮下脂肪が薄く熱が逃げやすいため、体温は環境の温度に大きく影響を受けるという特徴があります。(※1)

赤ちゃんが快適と感じる温度や湿度の目安は以下の通りです。
エアコンや加湿器、除湿器を活用してできるだけ調整してあげましょう。

【赤ちゃんが生活するうえで快適と感じる温度と湿度の目安】

室温:夏26度~28度 冬20度~22度
湿度:50~60%

大人からすると、秋〜冬の時期に20~22度では寒いと感じるかもしれませんが、厚着をさせたり、布団を重ねすぎたりしないように注意が必要です。
なぜなら、大人の体感に合わせてしまうと、赤ちゃんにとっては暑く、汗をかくことで汗疹ができたり、汗が冷えて風邪をひいてしまう可能性もあるからです。

湿度についても、高すぎると赤ちゃんは不快感を感じ、低すぎると乾燥の原因になります。50~60%を目安として調整するようにしましょう。

※1 「乳幼児の体温の特徴」(テルモ株式会社)

安全に子育てができる部屋づくりや住宅選びは大切

この記事では、子育てのことを考えた住宅購入のタイミングや、赤ちゃんとの生活を考えた快適な間取りや部屋づくりのポイントなどをご紹介しました。

赤ちゃんとの生活を考えたときに、子育てのための部屋づくりや住宅選びは大切な選択です。
特に、妊娠・出産という大きくライフステージが変わるポイントで持ち家の購入を決める人も多いです。

赤ちゃんを育てるための部屋づくりは、部屋ごとに必要な物を揃えておくことやスペースの活用が大切になるため、持ち家購入の際には、実際にその間取りや部屋の大きさで子育てを行うことができるかどうかを検討する必要があります。
部屋の室温ひとつとっても大人の感覚と違ってきますので、赤ちゃんに合った室温や湿度をしっかりと確認しておきましょう。

家族が楽しく過ごせて、安全に子育てができる部屋づくりの参考にしてみてくださいね。

公開日:2022年3月2日

更新日:

この記事はいかがでしたか?
感想を教えてください。

さん

平岡陽華

保育士として8年働いており、現在は1歳と4歳の2児の母です。これまでの経験を活かして保育士向けコラムの記事や、子育て世代向けの記事を多数執筆しています。
「子供達が笑顔で自分らしく過ごせるように」をモットーに、家族みんなが楽しく毎日を送れるように日々全力で過ごしています。

RECOMMENDおすすめ記事はこちら

×
LINE登録はこちら