
スマイルすまいの見つけ方 第34話
暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。優しい会社員のパパさんとすてきな暮らしに憧れる在宅勤務のママさん、しっかりものの保育園児タッくんに、愛犬ワンダが加わった仲良し家族です。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。
審査が通ったら住宅ローンの契約へ
二人でしっかり相談をして団信の保障内容を決めたスマイル夫妻、無事に住宅ローンの本申し込みを済ませることができました。
「審査の結果が出るまでに2週間程度いただきます」と言われていましたが、それよりも少し早く「承認!」のお知らせが届きました。申し込んだ額が満額で承認されたとのことです。
「やったー!」
次なるステップは住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)です。契約に必要なものを、ママさんはしっかりリストアップしています。
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
- 通帳
- 銀行届出印
- 身分証明書(顔写真のあるもの)
- 収入印紙
- 購入する住宅の売買契約書
- 重要事項説明書
「全部そろったし、あとは……。あ!そうだ。不動産会社にも連絡しておかなきゃ」と担当者にも報告を済ませて残りの代金の決済日(引き渡し日)の相談を行いました。
「平日の、できれば午前中が望ましい」ということなので、パパさんが仕事を休める日を選んで決定。ローン実行希望日もこの日になります。
火災保険は必須! 地震保険はどうする?
住宅ローンを借りる際には、火災保険の加入がほとんどの場合で義務付けられています。一括して支払うタイプの商品が多いので「いつのタイミングでいくら現金が必要なのか」はしっかり確認して、準備しておかなければなりません。
「地震保険はどうしようか」とパパさん。「最近なんだか地震が多いものね。入っておかないと不安よね」とママさん。とはいえ、お金が無限にあるわけではありません。通帳の残高を眺めながら「何が必要か、どこまでの保障が必要かなどをしっかり考えて決めなきゃね」とママさんが言えば、「そうだね! でも、本当に大切で必要なことには惜しまずお金をかけるぞ」と力強く宣言するパパさんです。
「他に、今のうちにやっておくべきことって何があるかしら?」
思いつくままに、ノートに書き出してみました。
- 両親に報告
- 今の賃貸の部屋の解約の申し入れ
- 決済日に必要なものリストを作る
- 引っ越し業者の手配(見積もりを取る)
「まだ少し先のことだけど、決済の準備もしておかなくちゃ!」と焦るママさんですが、その前にまずは住宅ローンの契約です。
書類がいっぱい! 住宅ローン契約
住宅ローンの契約書の書式は金融機関によって違いますが、共通する大切なチェックポイントは次の通りです。
- 契約書の名称は「金銭消費貸借契約書」です。
- 収入印紙を貼付します。割り印を忘れずに。
- 「借入要項」という欄には「借りる人」が記載します。
項目としては金額、期間、金利、資金使途、返済金額、支払開始日、返済日(毎月の引き落し日)などがあります。
たくさんの条項がありますが、どれも大切なことばかりです。分からない言葉があったり、書かれている内容の意味が理解できなかったりする場合は、恥ずかしがらず銀行の担当者にしっかり確認をしましょう。
金利や繰り上げ返済に関する内容などは、ダイレクトにお金に関わることです。「あとでゆっくり読もう」ではなくて、納得した上で署名捺印します。
契約書以外にも、署名が必要な書類がたくさんあります。
例えば「抵当権設定契約証書」「委任状」「自動引落に関する同意書・預金口座振替依頼書」「契約内容確認書」「個人情報の取扱に関する同意書」「意思確認記録書」「重要事項説明に関する同意書」、団信の「加入申込書兼告知書」などがあります。
どの書類も内容の説明をしっかり受けて、疑問を解消してから署名するようにしましょう。
「これで住宅ローンの契約は完了です」
ついにここまで来たね……と、感無量のスマイル一家です。
愛犬ワンダのワン!ダフル アドバイス
契約書の内容は他人任せにしないでしっかり自分で理解すべしだワン!
マイホーム購入もこの段階になると読むべき書類や署名を求められる書類が多くなって、疲れが出てくることがあるワン。だけど、契約というのは非常に重い約束。しかも住宅ローンは長期間にわたるものだワン。内容については隅々までしっかり確認して理解しておくことが大事だワン。
公開日:2018年10月25日
監修:中原茂
中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、資産運用部門などでの勤務を経て、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。 各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。
不動産監修:中村嘉宏
1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)
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スマイルすまい編集部
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