マンション契約までのステップbyステップ

マンション契約までのステップbyステップ

スマイルすまい編集部

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スマイルすまいの見つけ方 第25話

暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。優しい会社員のパパさんとすてきな暮らしに憧れる在宅勤務のママさん、しっかりものの保育園児タッくんに、愛犬ワンダが加わった仲良し家族です。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。

契約前には申し込みが必要?

今日は平日なのでパパさんは仕事へ。タッくんを保育園に送った後、ママさん一人で購入希望のマンションを販売している不動産会社へ出かけました。

「あ!スマイルさん。お待ちしてましたよー」と、担当のUさん。
「スマイルさんのご希望のお部屋、他の方も検討されています。購入のご意志が変わらないなら、少しでも早くお申し込みをお願いします」とのことです。

とはいえ、今日はママさん一人での来訪。いきなりそんな大きな決断はできません。
「申し込みってどうすればいいんですか?」

まずは教えてもらいましょう。
「購入の申し込みは、申込証拠金を添えて『購入の意志表示』をするためのものです。
物件や不動産会社によりますが、だいたい10万円くらいが相場です。このお金は、契約時に全額が契約金の一部に充当されます。万が一、契約に至らなかった場合は返却されます」

「申し込みなしで契約ということももちろん可能ですが、契約の準備を整える間、希望物件を押さえるために申し込みをしておくというケースが多いんですよ」

万が一契約しないと決めた場合は申込金が戻ると知って「じゃあ、今夜夫と相談して、明日にでも申し込みます」。
それまで、先を越されませんように……と、祈る思いのママさんです。

マンション購入の支払いスケジュールを確認しよう

「ついでにもう一つ、教えてください」とママさん。「諸費用や頭金、いつ、いくら必要になりますか?」
正確な諸費用の金額は、契約時までには計算しておきます……いうことでしたが、目安となるスケジュールを教えてもらいました。

(購入物件が決まったらなるべく早い段階で必要)
・申し込み時 申込証拠金 10万円程度
・売買契約時 手付金(目安として物件価格の1割程度)、印紙税

(引き渡しまでに必要)
・ローン契約時 印紙税
・決済時(引き渡し前) 購入物件の残代金(物件価格-手付金)のうちローン借入額以外は現金を用意する
・購入に関わる諸費用 物件価格の約5%

(引き渡し後に必要)
・引っ越し代
・新居用の家具購入費など
・不動産取得税※

(購入後、ずっと必要)
・住宅ローンの返済
・不動産所有に関わる税金(固定資産税・都市計画税)
・管理費、修繕積立金、駐車場代
・火災保険料(最長10年一括払い可、地震保険料は最長5年)

「ありがとうございます! これで、スッキリしました」

※今回のスマイル一家のケースでは、軽減税率の対象となり実質非課税ですが、支払いが発生した場合は、物件購入(引き渡し)後半年ほどたつと納付書が来ます。

住宅ローン選びは保険もポイント?

スマイルさん、ついでに住宅ローンの基本的なことについてもご説明しておきましょう」と親切なUさん。せっかくだから教えてもらうことにしました。
「住宅ローンには大きく分けて公的ローンと民間ローンがあります」と始まったミニ講義、ママさんはせっせとメモを取ります。

<公的ローン> 財形住宅融資 勤務先などで財形貯蓄をしている人が利用できる。

<民間ローン>
・金融機関の独自のローン 金利は変動または固定を選択 金融機関ごとに条件が違う
・「フラット35」住宅金融支援機構と提携した金融機関が提供している住宅ローン
など

「物件購入希望の方に弊社からご紹介できる住宅ローンもありますから、申し込み時にもっと詳しくご説明しますね。一度、口座のある銀行でお話を聞いてみるのもお勧めですよ」

そんな話を聞いているうちに「本当に3000万円近いローンを組むのね」とドキドキしてきたママさんは「返済の途中で大黒柱のパパに何かあったら、どうしたらいいのかしら」と、つい口走ってしまいました。「縁起でもないけれど……」

そんなママさんにUさんは温かい笑顔で教えてくれたのです。「ご心配、とてもよくわかりますよ。そういう万が一の場合のために、団体信用生命保険という通称“団信”と呼ばれる住宅ローン保険があるのをご存じですか?」

そうだわ、団信! 以前ママ友にも聞いたけど、是非もっと詳しく知っておきたいママさんです。

愛犬ワンダのワン!ダフル アドバイス

愛犬ワンダ

分からないことは、プロに聞け!だワン

マイホーム購入に向かって分からないことを一つずつクリアにしていくことでほっと安心できる反面、憧れだったものがリアルな目標になったことで怖くなる瞬間もあるのは当然だワン。そこで目を背けないで、しっかり解決方法や対策を見つけておこうワン。なんといってもマイホームはとびっきり高額の買い物。「なんとかなるさ」はよくないワン。

公開日:2018年03月23日

監修:中原茂さん

監修:中原茂

中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、資産運用部門などでの勤務を経て、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。 各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。

不動産監修:中村嘉宏さん

不動産監修:中村嘉宏

1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)

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スマイルすまい編集部

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