物を手づくりしたり、自分で修理したりすること。それは、単なる“作業”ではありません。ゆったりした時間の流れの中で、素材と対話し、自分自身とも会話する。だから、完成したものにはぬくもりが感じられ、愛着が湧くのだと思います。住まいのそこかしこにそうしたものがあれば、きっと幸せな気分になれる。そんな、手づくりの楽しみを感じていただけたらうれしいです。
手づくりの楽しみ あったかドリンク編 vol.1
北風が冷たいこの季節。おなかの中から温まる、あったか飲み物をひと手間かけて作ってみませんか? 今回作る甘酒は、飲む点滴といわれるほど栄養価が高く、発酵食品としても大人気です。果物や抹茶などをブレンドして、より飲みやすく、見た目もおいしく手づくりしてみました。
ハンドメイドやDIY好きのスマイルすまい編集部員が集まってできた、手づくり大好き集団。毎号、記事を通して「手づくりの楽しみや、自分で作ったものを使う幸せ」を皆さまにお伝えしていきたいと思います。
米こうじから作る本格甘酒作りに挑戦
手づくり部 桃の節句に母が酒かすで作ってくれた甘酒と今日作るのは違うものらしいです。米こうじから作るからこそ、酵素パワーがぎゅーっと詰まった栄養ドリンクになるのだとか。その作り方をスタイリストの金子雅美さんに教えていただきます。よろしくお願いします。
金子さん こんにちは。今日は、基本の甘酒の作り方と、誰もが飲みやすいようにフレーバーを加えた甘酒をご紹介します。甘酒って、苦手な方もいますけど、今回作るのは、果物などと合わせるのでとても飲みやすい味になりますよ。では、まず材料からです。
【材料】(500ccの甘酒が出来上がります)
・米(もち米) 1合
・米こうじ 200g
・フレーバー用に、ブルーベリー、抹茶、コーヒー、イチゴ、ゆずしょうが、ココア、フルーツ酢などお好きなものを
手づくり部 米こうじはどこで手に入るのでしょうか?
金子さん デパートや大手食品スーパーなどに置いてありますが、ネット通販でも買えます。さあ、始めますよ。今回は、炊飯器を利用して作るからとっても簡単です。まずは、炊飯器にもち米1合、水を3合分の目盛りまで入れて、おかゆを炊いて冷ましておきます。
手づくり部 何度くらいまで冷ますのでしょうか?
金子さん 60℃くらいなのですが、温度計がなければ指を入れてみて、3秒ほど我慢できるくらいと覚えてくださいね。
こうじがうまく発酵してくれますように……
金子さん ここに板状の米こうじを砕きながら入れて、おかゆと軽く混ぜます。このとき、おかゆが冷めていないと、米こうじがうまく発酵してくれませんから、注意してくださいね。心配なら、食品用の温度計を買った方がいいかもしれません。
手づくり部 わあ、こうじがふわあ~と飛んできますね。まるで生き物みたい。どきどきします。
時々優しくかき混ぜて、発酵具合を確かめよう
金子さん そして、ここからが長丁場なのですが、そのまま保温機能を使って50℃から60℃を保ちながら、6時間から8時間そのまま置いておきます。このとき、炊飯器のふたは閉めないで、布巾をふんわりかけましょう。
手づくり部 じゃあ寝る前に仕込んでおいて、朝起きたら甘酒ができているというのが理想でしょうか?
金子さん 途中で、2、3回はかき混ぜてほしいので、寝ちゃうのはちょっと……。今日は、家で作った甘酒を持ってきました。どうぞ飲んでみてください。
手づくり部 砂糖が入っていないのに、甘くてとてもおいしいです。自然の甘さがとても優しいですね。
金子さん 米のでんぷん質が発酵してブドウ糖になったものですからね。普通のお米でもいいのですが、もち米の方が、甘みが増すようですね。
好みのフレーバーでもっと飲みやすく
金子さん できた甘酒は冷蔵庫で保管して、1週間くらいで飲み切ってくださいね。冷凍もできますが、今日はいろいろなフレーバーで楽しんでみましょう。
手づくり部 いくらおいしくても、毎日同じ味だと、ちょっと飽きそうなのでうれしいです!
金子さん 甘酒をおたまに3杯くらい取って、イチゴを5個入れて、ハンドミキサーで混ぜます。はいどうぞ。
手づくり部 あれ!? 全然甘酒と違う飲み物になりましたね。とっても高級なイチゴシェークを飲んでいるみたい。
金子さん ブルーベリーとも合いますよ。好みのフルーツをピューレ状にして、甘酒に混ぜるだけ。抹茶やココアは少量のお湯で溶いてから、甘酒と混ぜてくださいね。
手づくり部 ココア味は、飲みやすいですね。抹茶も飲みやすい。ゆずしょうが味は、心も体も温まる~。
金子さん こうじって免疫力を高めたり、腸内環境も整えてくれる優れものなのです。昔は、夏バテしないようにと夏に飲む栄養ドリンクだったんですよ。
手づくり部 甘いものが欲しくなったら、こうじの甘酒を飲めばいいんだって思うと我慢するストレスもなくなりますね。自然の甘さが体に染み渡ります。心も体も整えてくれる魔法のドリンクに思えてきました。
金子さん 次回は、乳酸菌や酵母がたっぷりの酵素ドリンクの作り方をご紹介します。
手づくり部 おしゃれな飲み物だなあと憧れていました。あの酵素ドリンクを自分で作れるのですか? とても楽しみです。
スタイリスト:金子雅美
2年間の専属アシスタント経験を経て、1998年よりフリースタイリストとして活動。
フードスタイリング、インテリアコーディネート、ブライダル誌・ベビーカタログでの空間コーディネートやドレスのスタイリングなど、その活動分野はライフスタイル全般多岐にわたる。
特に食の分野を得意とし、レシピ製作からテーブルウエアのセレクトまで、トータルなコーディネートで幅広い食のスタイルを提案している。
公開日:2017年03月15日
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スマイルすまい編集部
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