古くから美容や健康に良いと知られているハーブティーを気軽に作ってみませんか?
今回は自家製フレッシュハーブティー・ドライハーブティーの作り方や効果・効能、初心者の方にもおすすめのハーブの種類や栽培方法などを解説します。
毎日気軽に自然の恵みを取り入れて、免疫力を高めましょう。
ハーブティーの効果・効能とは?自家製ハーブティーをお勧めする理由
古くは古代バビロニアの時代から治療に使われていたと言われるハーブ。古代エジプトでは医療のほかに、美容のためにも活用されました。古代ギリシャ時代からは民間療法としてハーブティーが親しまれ、人々の美容や健康を支えてきました。
これらの歴史から、ハーブには人を治癒する力や自然治癒力を呼び覚ましてくれると考えられていたことがうかがえます。そして近年、健康志向の高まりにより、ハーブティーが改めて注目を集めています。
アロマセラピーのようなリラックス効果や内臓を温める効果、デトックス効果などが期待されているハーブティー。「冷え性だから試してみたいけど、どうやって始めたらいいの?」という方もいるでしょう。
ハーブは丈夫で育てやすく、意外と簡単に自家製ハーブティーを作ることができます。
ほとんどのハーブは乾燥を好み、水や肥料を与えなくても元気に育ちます。そのためガーデニング初心者や忙しい方でも、ベランダのプランターで無理のない家庭菜園が可能です!
しかも無農薬で安心安全な自家製フレッシュハーブなら、新鮮でみずみずしいフレッシュハーブティーを味わえます。
ハーブティーを飲むタイミングは、胃の負担を減らすためにも食後が良いと言われますが、厳密に気にする必要はありません。飲みたい時に気楽に飲みましょう。
ただ薬効を効率よく取り入れたい場合は、一度にたくさん飲むよりも、1日3杯を目安に時間を空けて飲む方が有効です。
いつでも好きなタイミングで飲めるのは、自家製ハーブティーならではの醍醐味です!
効果効能を存分に引き出す自家製ハーブティーの作り方
自家製ハーブティーを作るなら、飲むタイミングの他にも、効果効能を引き出す作り方があるのか気になるところですよね。
ひとくちにハーブティーと言っても、フレッシュハーブティーとドライハーブティーの2種類あります。
それぞれのメリットと美味しいハーブティーの作り方を紹介しましょう。
フレッシュハーブティー
フレッシュハーブティーは、収穫したハーブをそのまま使います。
見た目の美しさや、みずみずしい香りはフレッシュハーブティーならでは。ハーブの持つ甘みやヘルシーな飲み心地を味わえます。
立ちのぼる香りにリラックスしながら、SNS映えする写真を撮るのもいいですね。
フレッシュハーブはハーブティーの他にも、紅茶や炭酸に入れるなど多様に楽しめます。
- 摘みたてのハーブを軽く洗って、しっかり水を切ります。
- ハーブを手のひらに乗せ、軽く叩いてからティーポットへ入れます。
- 沸騰したお湯をティーポットに注ぎ、ふたをして5分ほど蒸らします。
- 飲む前にティーポットを少しかき混ぜれば、均等な味わいになります。
ハーブを軽く叩くことで、香りの成分が引き出されます。
ハーブの量はティーポットの半分くらいを目安に、お好みで調整してくださいね。
ドライハーブティー
ドライハーブは葉や茎、花部を乾燥して水分を抜いたもので、スーパーなどでも販売している一般的なタイプです。
水分を絞りきることで長期保存でき、およそ1年は消費が可能です。
またハーブティーの効能は、ドライハーブティーでの実証結果をもとにしていて、フレッシュハーブの約3倍の薬効が期待できると言われています。ハーブティーを体質改善などに利用したい場合は、毎日3杯ずつ3週間ほど継続して飲んでみることをおすすめします。
※ハーブティーは医薬品ではありません。
ドライハーブティーなら季節を選ばず常備でき、便利で気軽に習慣化できますよ。
ドライハーブは電子レンジで簡単に作ることも可能です。
ぜひお試しください。
- 葉や花弁の使用する部分だけ取って、ていねいに水洗いします。
- キッチンペーパーで上下を挟み、しっかり水分を取ります。
- 耐熱皿にハーブを広げて加熱します。(目安として500wで3分を2回)
量やハーブの種類によっては焦げやすいため、加熱の分数を少なめにして様子を見ましょう。 - その後、ハーブがパリパリになるまで10秒ずつ加熱します。
- パリパリになったらそのまま30分放置して、完全に水分を飛ばします。
- 保管する際は瓶に乾燥剤と一緒に入れ、直射日光を避けて常温で保管してください。
- 飲むときはティーカップ1杯につき、ドライハーブを小さじで大盛り2杯入れます。
- ティーポットに熱湯を注ぎ、ふたをして5分ほど蒸らせば出来上がりです。
見た目や香りを楽しむならフレッシュハーブティー、ハーブの効能を期待するならドライハーブティーと、飲み分けるのも楽しいですよ。
初心者にもおすすめの自家製ハーブの育て方
まずはガーデニング初心者の方も簡単に育てられるハーブから始めてみましょう。
ここでは基本的な育て方を紹介します。
ハーブを育てる環境
ハーブを育てる際に大切なことは「日当たり、温度、風通し、水やり」の4つだけです。
ハーブはもともと自然環境の中ですくすく育ちますが、好む環境は種類によって異なります。
そのため「鉢」や「プランター」を使用すれば、移動でき、雨風や日差しの調整に便利です。
最初は「1つの鉢に1種類のハーブ」を植えるようにすれば、育てやすいのでおすすめです。
「種」か「苗」か?
ハーブを購入する際は、種よりも「苗」を選びましょう。失敗が少なく、収穫までの時間も早いので楽しく育てられます。
苗は黄ばみなどない鮮やかな葉で、ひょろっと大きい苗よりコンパクトにまとまっているものを選びましょう。
植え付け方
苗を植え付ける際は、植え穴にたっぷり水を入れて湿らせてから、ポットから取り出した苗を入れます。
プランターで複数を植え付けるなら、株間は20~30cmほど空けておきます。
水やりのタイミング
ハーブは一般的に乾燥気味で育てます。常に日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。
毎日水やりする必要はなく、地表面がしっかり乾いたときだけ、たっぷり水をあげれば問題ないです。その際、病気の原因になるので、葉や花ではなく株元にかけるようにしましょう。
収穫について
ハーブの高さが20cmほどになれば収穫できます!
収穫する際は、新芽が生えてくるハーブの先端を摘み取ると、新しい芽が出やすく収穫量も増えます。
自家製ハーブティーに人気のハーブ6種類
ハーブティーは1種類だけでも楽しめますが、数種類をブレンドすると味に深みが出て、さらに美味しくなります。
好みの味や、効能でブレンドできるのも、自家製ハーブティーのおもしろさです!
初心者の方にも育てやすく人気のあるハーブを6種類紹介します。
ペパーミント
ペパーミントティーにすることですっきり爽やかな味わいでリフレッシュできます。食べすぎ飲みすぎや脂っこい食事の後に飲めば効果的。スッと不快感を鎮めてくれます。
また飲みにくいハーブティーにペパーミントをブレンドすると格段に味わいやすくなります。
繁殖力が非常に強いので、根や葉が他のハーブの領域をおかさないように、必ず単体で育てましょう。
植える時期:3月下旬~7月中旬、9月~10月
ローズマリー
スパイシーな味わいで、記憶力を高めて内臓を活性化する効果が期待できます。集中力が必要な直前に飲むのもおすすめです!
また、ストレスからくる疲労感のリフレッシュにも適しています。
14世紀のハンガリー女王が若さを取り戻した妙薬としても知られています。
湿気が苦手なため、風通しの良い場所で育てましょう。
植える時期:4月~5月、9月下旬~11月
バジル
ふんわり優しい甘みとフレッシュな香りで、胃腸の不調や神経系に働きかけます。イライラや不安を鎮め、穏やかな気分へ導いてくれます。
花を咲かせると養分を取られて葉が硬くなってしまうので、花芽はすぐに摘み取りましょう。
植える時期:5月~7月中旬
レモングラス
甘みを感じるレモンに似た香りで、癖がなくて飲みやすいイネ科のハーブです。ハーブティーにはレモングラスの葉を切って使います。
疲労回復や夏バテにも向いています。
寒さに弱いので、冬は室内で管理しましょう。
植える時期:5月~7月初旬
ジャーマンカモミール
フルーティーでリンゴのような香りがし、心身共にリラックスできるキク科のハーブです。
気分が高ぶって眠れない時や冷え性にも有用で、古くから万能薬として利用されてきました。
香りが最もよく引き出される朝摘みにして、花部だけを使用しましょう。
植える時期:3月~4月初旬、9月下旬~11月
レモンバーム
シソ科のハーブで、ほんのりミントの香りに近い爽やかな味わいです。緊張や不安感を和らげリラックスできます。
時間が経つと香りが飛びやすいため、フレッシュハーブティーに最適です。
直射日光が強ければ、葉が黄色く焼ける恐れがあるので注意してください。
植える時期:4月~5月、10月
自家製ハーブティーを作っておうちでほっこりしよう!
自家製ハーブティーは、誰でも簡単に作ることができます。
ぜひ自宅のベランダやお庭で、お好みのハーブを気軽に栽培してみましょう。
家事の合間やリラックスしたい時には、自家製のフレッシュハーブティーが役立ちます。ドライハーブティーを飲む習慣を身につけて、自然治癒力を高めるのもいいですね。
生活にハーブを取り入れることで、自宅にいながらほっこりとした時間を過ごせますよ。
ハーブはお茶以外にも、香りづけや臭い取りなど料理の幅を広げてくれます。
その他にも入浴剤や芳香剤、虫よけなど幅広く利用できるのも嬉しいですね。
なお妊娠中、授乳中、持病のある方や乳幼児はハーブの種類によって注意が必要な場合があります。主治医に相談して、安全に取り入れましょう。
またイネやキクなどのアレルギーがある方も注意してください。
ここまで、ハーブの育て方から自家製ハーブティーの作り方までご紹介しました。
さまざまな種類のハーブをブレンドして、オリジナルの自家製ハーブティーを作ってみてはいかがでしょうか。
公開日:2021年03月05日
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山崎和子
ライター兼アロマセラピスト。公益社団法人日本アロマ環境協会アロマテラピー検定1級取得。小さい頃からドクダミ茶を飲んだり、火傷にアロエを貼ったりと民間療法をこよなく愛してきました。その後、ヨガや東洋医学にふれることで未病を防いで「心身ともに健康」を目指すことに興味を持ち、現在は気軽に取り入れられる方法を模索しながら、ハーブやアロマテラピーと共生する生活を実践中です。