団体信用生命保険に入らないとどうなる?万が一の時のための団信加入の魅力

団体信用生命保険に入らないとどうなる?万が一の時のための団信加入の魅力

「団信は必要?入らないとどうなるの?」
住宅ローンを組むとき、セットで加入する団体信用生命保険。団信の必要性に悩む方は多いですよね。

当記事では団信に入らないとどうなるのか解説しながら、団信の必要性をご案内していきます。団信加入に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

団体信用生命保険(団信)とは?

団信とは、住宅ローンとセットで加入する「団体信用生命保険」の略です。
一般的に多くの住宅ローンは、数十年もの長期返済です。そのため長い返済期間中に契約者に万が一のことがある可能性は、ゼロではありません。

団信は、こうした返済中の「もしも」にそなえるための保険です。
住宅ローンとセットで加入していれば契約者に万が一のことがあったとき、ご本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残高を支払います。契約者が不慮の事故で急に亡くなっても、残された家族に住宅ローンの返済義務は残らないので安心してマイホームに住み続けられるのです。

このように団信は、家族全員がマイホームで安心して暮らすために必要不可欠な保険と言えます。そのため一部の住宅ローンを除き、民間金融機関では住宅ローンと団信の加入をセットにしているのです。

ただし、団信の加入には保険会社の審査があります。契約者の健康状態や病歴によっては加入できない可能性もあるので覚えておきましょう。

団信にはさまざまな種類がある

一般的な団信は、住宅ローン契約者の死亡・高度障害時に未返済債務金額を保険金として金融機関にお支払いしローンの返済に充当するという保障内容になっています。

最近は上記の「一般団信」にさまざまな特約を付けた独自の団信が増えていて、保障内容は多様化しています。
団信を検討する際は保障内容と金利等の条件をよく比較し、検討しましょう。

【団信の保障内容】

  • 一般団信:死亡したとき・所定の高度障害状態になったとき
  • がん保障特約付き団信:「一般団信」+がんと診断されたとき
  • 3大疾病特約付き団信:「一般団信」+がんと診断されたとき・脳卒中・心筋梗塞で所定の状態になったとき
  • 8大疾病保障付き団信:「一般団信」+「3大疾病」+5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)で所定の状態になったとき

上記の他にも失業時や災害時の保障付き団信や、ご夫婦おふたりの万一を保障する夫婦連生団信、健康状態に不安がある方でも加入しやすいワイド団信(引受基準緩和型)などがあります。
住宅ローン利用者の状況にあわせて、適切な保障付きの団信を選びましょう。
なお団信の保険料の支払い方法は、以下の「金利組み込み型」が一般的です。

【団信の保険料支払い方法】

  • 金利組み込み型:住宅ローン金利に上乗せする支払方法。
    一般団信では金利の上乗せ負担はなく、特約付団信の場合に年0.1%~0.3%の上乗せがあるのが一般的。

特約付きの団信に上乗せされる金利は、金融機関によって異なります。
そのため団信の特約を検討する際は、保障内容と上乗せ金利を照らし合わせたうえで、ご自身に最適なプランを選んでください。

団信に入らないとどうなるの?

住宅ローンを組むとき、団信に入らないという選択も可能ですが、おすすめはしません。
なぜなら、多くの民間金融機関では団信加入を住宅ローンの利用条件のひとつとしており、団信に入らないことを前提とすると、住宅ローンの選択肢が少なくなり、民間の多様な商品を検討できなくなります。

また団信がない状態で住宅ローンを組めば、返済中の生活を安心して送れません。
団信の代わりに、民間の個人保険商品や貯蓄などを活用するという方法はあります。ただ保険や貯蓄で何千万円もの金額を長期間備える場合、団信より負担が大きくなる可能性もあるので要注意です。

このように団信に入らないと単純に保障がないだけではなく、「家族にとってより有利な住宅ローンを選ぶ」のが難しくなります。団信の保障をいる・いらないで考えるのは危険なため、家族に最適な住宅ローンを選ぶという視点で、団信の必要性を考えるようにしましょう。

住宅ローンを組むならできる限り団信に入ろう

住宅ローンを組むのなら、返済中のリスクに手軽に、適切に備えられる団信の加入をおすすめします。なぜなら多くの方にとって、住宅は人生最大の買い物であり、住宅ローンは人生最長の借入れになるからです。

団信は住宅ローンの残債金額・残存期間と連動しているため、保障内容がわかりやすいです。一般団信であれば保険料は金融機関負担なので、手軽に住宅ローンの保障を備えられるのは大きな魅力と言えます。

保障の安心感だけではなく、住宅ローンの選択肢を広げるという意味でも団信加入は重要です。金利タイプや金利の低さなど、住宅ローンの内容にこだわるなら団信を付け、さらに多様な団信特約を検討しましょう。最近の団信特約は多様化しています。家族の安心をどのように団信で備えるのか、家族で話し合い検討してください。

ただ、「住宅ローンの借入金額が少なく返済期間も短い」という方の場合は、団信加入は必須とも言いきれません。また、「すでに終身型の生命保険に加入していて解約が難しく、団信に入ると保障が重複する」という方もいらっしゃるでしょう。

このような場合でも、団信の有無だけで住宅ローンを決めるのは早計です。住宅ローンで大切なのは、家族に適した内容かどうかです。金利や商品性をよく鑑みたうえで、団信をつけるかつけないかを決めるようにしてください。

団信は状況に合ったプランを

団信は、人生最大・最長の借入れを支えるため、家族の安心のために大切な保険です。

団信に入らずに住宅ローンを組む方法はありますが、住宅ローン選びが不利になるためおすすめはしません。団信の加入は、契約者の住宅ローン選択肢を広げ、より有利な借入れを叶えるという側面もあるのです。

そのため住宅ローンを組むときは、まず家族の状況に適したプランとは何かを考えましょう。家族のライフスタイルや状況にあわせたプランを検討したうえで、団信の加入をどうするか決めることが大切です。

最近は各金融機関で団信の保障に力を入れており、特約のラインナップも充実しています。健康に不安がある方にはワイド団信、共働きには夫婦連生団信といった選択肢もあります。

住宅ローンは、長い期間付き合っていく契約です。目先の金利だけではなく、団信などの保障内容や諸費用、返済のしやすさなど総合的な観点で、ご自身のニーズに合ったものを選択するようにしましょう。

公開日:2020年07月08日

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服部椿

金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。 子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン相談が得意。保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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